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ジャズマンズ・ブルースのchunkymonkeyのレビュー・感想・評価

ジャズマンズ・ブルース(2022年製作の映画)
3.0
「継父と兄にいじめられるシンデレラ男は、ある日お姫様に出会いました。しかし黒人なのでいつまでも幸せに暮らせませんでした。めでたくない。」という映画です(冒頭で結末は述べられるのでネタバレ表示にしていません)。前半戦はみんな大好き「フォレスト・ガンプ」の丸パクリ、後半はそこに「タイタニック」、「PASSING」、「ヘルプ」、「ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ」など次々と新たな映画が参戦していきます。

いやぁ、この前半。羽の代わりに紙飛行機、人物設定・人物相関に物語の展開や提示手法、映像から音楽に至るまで「フォレスト・ガンプ」そのまんまで1シーン毎に衝撃を受けるの巻。と思ったら後半戦は路線変更で一瞬「タイタニック」の許されぬ恋的要素を挟んでから、前述のラインナップによる黒人関連有名映画の怒涛のつなぎ合わせをご堪能あれ。

歌については主人公の声質と音響処理の問題か、頑張って歌ってるのに声に全然スポットライトが当たらなくてちょっと残念というか歯がゆい感じがしました。特にシカゴの舞台の場面はもうちょっと華やかにキメてほしかった。

描かれる題材やストーリー自体は決して悪くないのですが、質量ともに絶妙な過剰さ。全不幸を主人公だけに押し付けた悲劇のデパート状態+それらをビミョ~に"演出"しすぎていて、なんだか安っぽい二時間ドラマか昼メロのようになってしまっているのがなんとも惜しい...

ただ、ものすごく「外している」わけでもないのでいい映画として観られる方もたくさんいるでしょうという、ギリギリのラインを攻めてきましたねぇ。結構、評価が割れそうです。映画の雰囲気的にお好みそうであればお試しあれ!
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