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ボブ・マーリー:ONE LOVEのchunkymonkeyのレビュー・感想・評価

ボブ・マーリー:ONE LOVE(2024年製作の映画)
3.0
ボブ・マーリーの音楽伝記映画。やべぇ、ガチでつまらない(笑)。特にボブ・マーリーのファンとかいうわけではないです。ファンの方なら面白く観られるのかな?とちょっと気になりました。

祖国ジャマイカが二大政党で激しく対立し内戦状態となる1976年のスマイル・ジャマイカ・コンサートから物語はスタートします。このドラマチックな映画の掴みはとてもよかった。

そこからロンドンでのレコーディングが成功し世界的スターとして一世を風靡し、自分や家族、そして音楽の目的を見失っていたところに癌が発覚、祖国の平和を願い命の危険を冒し再度ワン・ラブ・ピース・コンサートを行うという流れは、「ボヘミアン・ラプソディ」そのまま。

いやぁ、それにしても毒にも薬にもならない、この全く起伏がない感じよ。ある意味これは新感覚?

音楽伝記映画としては異例の短い上映時間で影の部分の描写も非常に薄く(言われなければ全く気づかないさりげないにもほどがある不倫の描写とか🤣)、きれいにすっきりまとまっています。確かに、これなら史実を捻じ曲げているとか故人に敬意を払っていないとかいう批判は絶対起きないはず。

でもその結果かどうか知らんけど、あらすじ的には「ボヘミアン・ラプソディ」を完璧になぞっているのに、全くそういう高揚感みたいのは得られずさらっと終了。ちなみに私はそんなに「ボヘミアン・ラプソディ」が好きで大興奮したという人ではないので、そのハードルの低さをもってしても、本作は衝撃的な盛り上がりのなさでした。

主演のキングズリー・ベン=アディルは、独特の訛り・歌い方・ダンスを見事に習得していてとてもよかったと思う。この見事ななりきり演技は「エルヴィス (2022)」と同じ人が指導したらしい。うん、そういえば定型化された音楽伝記映画が量産される中「エルヴィス」はなかなか尖っててよかったな。
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