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正欲のukiのレビュー・感想・評価

正欲(2023年製作の映画)
3.9
原作を読んでからの鑑賞。
多少の脚色がされていて、
ん?こんな描写あった?
この描写無いの?大丈夫?
って気になるところはいくつかあったけど
それなりに丸く収まってたと思う。
前半の桐生さん観てると、
ただのストーカー女に見えて、、
いや、いろんな偶然が重なって
佐々木君と再会して、共存できるように
なったんだけどなぁ、、と
過程が雑になってて残念だった。
2時間に収めるなら仕方なかったのかな。
主要な登場人物が多くて
それぞれがしっかりストーリーあったけど
映画じゃやっぱりそこが弱いとこはあった。
でも最後の桐生さんと寺井さんの
対話シーンはなかなか良かった。
ガッキーの目の動きが素晴らしかった。

作品としては、
孤独について考えさせられる。
選んだ孤独と、
選べなかった孤独。
私も独りだと実感して
寂しくて辛くなる時がある。
だけどそれは選んだ孤独。
誰かを愛そうと思えば愛して、
繋がりを持つことができる。
この作品のキャラクター達はそれぞれが
生まれながらにして(恋)愛する対象
が(大)人では無くて、
作品では水に対して興奮するフェチだけど、
ほんとにそんな人いるの⁈ってのが
正直なリアクション。
どこまでがリアルかはわからないけど
この世にはきっと自分の想像を超える
概念がたくさんあるんだろうな、と思わされる。
そんな人達が抱えるのは、
選ばずとも待ち受ける孤独。
自分にとっては当たり前の概念でも
社会からすると理解不能だし、
もしかしたら犯罪になるかもしれない。
かといって治すようなものでもない。
自分を偽って生きて行くことで
社会に馴染むことができる。
そんなストレスしかない生き方は
そりゃあ死にたくなるわな、、って。
ただ、水に対して興奮するのも特殊だけど
小児性愛者はかなりしんどい。。
そっちの方が闇だなと思う。
マイノリティのイメージが
しやすい作品だなーと小説を読んだ時から
感心をしていた。
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