2023年日本公開映画で面白かった順位：63/172
ストーリー：★★★★☆
キャラクター：★★★★★
映像：★★★★★
音楽：★★★★★
映画館で観たい：★★★★★
ディズニー長編アニメーション映画第62作目。
ウォルト・ディズニー・カンパニー創立100周年記念作品。
ド直球のファンタジー映画で面白かったけど、好みが分かれそうだなと思う映画だった。
この作品は、まずアニメーション表現が素晴らしい。
往年の2Dアニメーションのように見えて、3Dで描かれているというこの神がかったバランス。
懐かしさと最新技術の融合を体感でき、ディズニーらしいファンタジーな世界観との相性もよかった。
肝心の中身については、これがけっこう判断が難しい。
面白いっちゃ面白かったけど、じゃあ『アラジン』（1992）や『アナと雪の女王』（2013）より楽しめたかというと、個人的にはそこまで（笑）
理由は多分、この作品の世界観にあるんじゃないかなあ。
この映画って"人々の願い"を題材にしているんだけど、それってすごく抽象的なもの。
「誰のどんな願いをどう叶えるか」っていう話ではなく、願いを持つことの大切さを描いているから、ややふわっとしていた印象。
例えば、『アラジン』だったら『アラジン』でしか、『アナ雪』だったら『アナ雪』でしか成立し得ない世界観や各キャラクターの願いがあるから感情移入もするし楽しめるんだと思う。
そういう意味では、この作品は別に『ウィッシュ』の世界である必要がないぐらいには、個々の願いについての深掘りはされていない。
願いの中身ではなく、あくまでも願いそのものを持つかどうかって話なので。
でも、今回に関してはそういうのもアリかなとは思った。
というのも、この映画はディズニー創立100周年記念作品だから。
映画としての面白さよりも、ディズニーが一番大切にしていることは何かっていうことを優先したんじゃないかな。
それは、人々が夢や希望、願いを持つことで、その実現に向けてがんばれるということ。
それを伝えるために、個性ある世界観ではなく、最大公約数的な形にしたんじゃないかなって勝手に推測してる。
なので、ディズニー作品をずっと観てきている人からしたら「集大成だな」って思える反面、この全体的にふわっとした作風に感情移入しづらい部分もあるかも。
あと、個人的にはヴィランのマグニフィコが、もう少しヴィラン感出してほしかったのよね。
彼ってただ被害妄想が強いだけで暴君となっていたので、イマイチ動機が弱い感じがした。
冒頭でも触れられていたように、例えばかつては願いの大切さを知る少年だったけど、現実にうちのめされ、やがて他人の願いを妬むようになったとかっていう方がわかりやすかったかも。
そんなわけで、やや抽象的でふわっとしているけど、ディズニーの「夢を見ることができれば、それは実現できる」ってのを体現したような映画。
とにかくスターがかわいいので注目。
それにしても、ディズニーに限らず、"〇周年記念作品"ってそれだけでハードル上がっちゃうから、作り手としてはけっこうプレッシャーかも。
特に、今回のように映画としての面白さよりもメッセージ性を強く出す作品だと、余計に上がりすぎた期待値を超えられなかったりするから。。。
ちなみに、同時上映だった『ワンス・アポン・ア・スタジオ -100年の思い出-』は、これまでのディズニーキャラ総出演でエモかった。
ただ、日本語字幕ついてるのに、音声も日本語なのが謎だったけど。
