TOMMY

ウィッシュのTOMMYのネタバレレビュー・内容・結末

ウィッシュ(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

『いいかげん、諦めろ。』
『この願い...諦めることは、ない!!』

ウォルト・ディズニー・カンパニーの創立100周年を記念して製作された、ディズニーの長編アニメーション。新たなディズニー・ヒロインのアーシャを主人公に、魔法の王国の真実を知ってしまった彼女が起こす奇跡を描いたファンタジーミュージカル。

どんな願いもかなうと言われているロサス王国。魔法を操り国を治めるマグニフィコ王は、国民から慕われているが、お城で働く17歳のアーシャは、ある秘密を知ってしまう。それは、人々の願いがかなうかどうかを王が決めていること、王は国のためになる願いだけをかなえており、国民が王を信じてささげた願いのほとんどはかなえられることがないということだった。王国の秘密を知ってしまったアーシャは、王を信じて託した人々の願いを救いたいと、夜空の星に祈る。すると、空から魔法の力をもった願い星のスターが舞い降りてくる。スターの魔法によって話すことができるようになった子ヤギのバレンティノやスターとともに、アーシャはみんなの願いのために奮闘する。

監督は「アナと雪の女王」シリーズのクリス・バックと、「アナと雪の女王」や「ズートピア」などでストーリーアーティストを担当したファウン・ビーラスンソーン。脚本はクリス・バックとともに「アナと雪の女王」を手がけた、ディズニー・アニメーション・スタジオのクリエイティブ・オフィサーでもあるジェニファー・リー。音楽は、ジャスティン・ビーバーやエド・シーランにも楽曲を提供しているソングライター兼アーティストのジュリア・マイケルズ。「ウエスト・サイド・ストーリー」でアカデミー助演女優賞を受賞したアリアナ・デボーズがアーシャ役の声優を務めた。日本語吹き替え版では、映画やドラマはもちろんミュージカル舞台でも活躍する生田絵梨花がアーシャ役を担当。

同時上映の「ワンス・アポン・ア・スタジオ」が良すぎた。本編も普通に面白いし、なんだったらクライマックスのシーンなんかはめちゃくちゃ良かったけど、100周年には弱すぎた。これぞディズニーという王道のストーリーだったけど、刺さるものもないし、いまいち感情移入も出来なかった。それこそ他のレビューでも言われてるようにマグニフィコの方に感情移入出来ちゃうし。そこら辺が大人になったなってことなのか?アーシャにイライラしちゃう場面もあり。複雑。

そもそも、王様が軽々しくアーシャに本当のことを言ってしまうからいけないと思うけど、言いたかったんだろうな。そして弟子にしたかったんだろうな。けど理解して貰えずフラレちゃったからキレちゃったんだ。王妃がまともで本当に良かった。

アーシャがいくちゃんってだけで吹替で見ちゃったけどこれも失敗。ずっといくちゃん。笑
いい意味でも悪い意味でも、いくちゃんが強すぎた。これはましゃもそう。ミュージカルのシーンなんかただのライブ。声は2人ともめちゃくちゃ良いだけにキャラクターが入ってこない。ぜひこれから見る人は字幕で。

色んな人も言ってるけど、明確な願いがある人の方が少ないとさえ言えるこの時代に、このテーマで映画を作るのであればもう少し作り込む必要がある。そして主人公であるアーシャの願いが分かりづらいという点が1番厄介。ここで多くの観客が置いてかれると思う。おじいちゃんが100歳でディズニーと被せてるんだろうけどそれもあまり生かせてないし。せっかくの山寺ボイスのバレンティノはギャグ要因だし。味方は7人の小人を意識してるんだろーけど7人も要らないし、鏡も白雪姫を、ピーターパンも最後出てくるけど全部中途半端。弱い。本当にその一言に尽きる。

でも、ここまで思えるのも、今まで本当に素晴らしい作品を世間に提供し続けてくれたからであって。期待の裏返しであって。決して、ディズニーが嫌いなのではなく、むしろ好きなんです。大好きなんです。愛してるんです。だからこそ、短編は最高でした。あーゆーシンプルでわかりやすい、お祭りみたいな映画を長い尺でみたい。200周年は恐らく迎えられないので、星に願います。だって、『願えばかなう。』ですもんね。ありがとうウォルト・ディズニー。100周年おめでとう。
TOMMY

TOMMY