願いが叶う世界、叶えてもらえる世界、叶わぬ願いは取り上げられて忘れてしまう世界があったら、人は何を思い何のために生きて死ぬのか。
テーマはいいのに、そんな思考実験をするための仮想空間に見えてしまいました。
完全オリジナル新作ストーリーということもあってか、登場人物の前日譚や後日譚が想像できないといいますか、この物語のためだけに島と人と世界と設定をポンと作って、終わったら存在が消されるみたいな、フィクション世界の虚無感みたいのが感じられまして。
100年生きたおじいさん、ではなく、100年生きてるって設定の新品のお人形を見せられてる感じ。
こういう感覚はこの作品に限ったことじゃないんだけど、近年のディズニーの画風のせいなのかなあ。自分が汚れたおっさんになっただけかな。
観終わってそんなことを思いました。
とは言うもののいつでも安心安定のディズニー作品、さすがです。観に行って後悔も失敗も外れもない。
100年一切手抜きせずその時代時代の最高のクオリティでanimationを作り続けてるって、とてつもないことだなあ。
今回はスケールが小さいしパンチ弱いなあと思ったけど。もう少し時間と密度が欲しかった。
