たた

火の鳥 エデンの花のたたのレビュー・感想・評価

火の鳥 エデンの花(2023年製作の映画)
3.7
最後まで比較的淡々と観ていたのに、エンドロールに入る暗転の瞬間、何とも言えないぞわぞわした感覚が足元から頭へ駆け抜けていきました。
多分感動したってことだと思う。
エンディングテーマも好き。

・・・・・

手塚先生の漫画って恐ろしくテンポがよいので、テンポを実時間そのもので調整しなくてはならない映像作品では、これまであまり成功してないイメージがあります(昔の手塚アニメとか見てた訳じゃないのでテキトーな意見です)

でもそんな心配は無用で、ムダと思えるシーンも少なかったし(むしろ必要なシーンをカットしてないかっていう別の心配はある)
このテンポとクオリティなら、他編もあわせてシリーズ化する価値はあると思う。
火の鳥を語らせるとみんな大体哲学者になっちゃうのでストーリーの解釈に正解はないし、難解な脚本でも噛み砕いた娯楽作品でもよいから、この映像美でどんどん作って欲しいなって思った。
・・・・・・

初っ端ジョージの最初の台詞で「大丈夫かこの映画…」って思ったけど大丈夫だった。他の声優さんが完璧だった!

最後で主演声優の名前を初めて知って驚いたなあ。昔火の鳥を演じた池田昌子さんを彷彿とさせる落ちついた語り口は、宮沢りえだったか…。もはや名女優ですね。

イッセーさんの怪演がしばらく耳に残りそう。あれはすごい、さすがとしか言えない。
子供役は子役さんなのかな?とてもよかった。

原作を読んだ記憶がある程度残ってるけどそれでも説明不足に感じられたから、初見者が置いてかれないかちょっと心配。
近親交配をあからさまに描けないのはよいとしてももうちょっと分かりやすく匂わせてもいいのにって思った。

シバのパタパタハンドいいねえ。チヒロが繰り出すギミック&アクションとか、くるみ割り人形フェイスのメカなんかも、セル(風)アニメでないと得られない楽しさ気持ちよさです。
たた

たた