たた

NOCEBO/ノセボのたたのレビュー・感想・評価

NOCEBO/ノセボ(2022年製作の映画)
3.8
心霊治療と呪術はインチキなのか?バイアスなのか?催眠術の延長に過ぎないのか?
…いや本物だ!と言い切って差し支えない効果を見せますが、見せ方がやりすぎてません。
偶然とか思い込みとか洗脳とか心理描写として見せてるだけとか…、ギリギリのところで、何でもありのオカルトファンタジーな世界の手前で止めてる感じ(に見える)。
そのさじ加減が個人的にヒットでした。
・・・・・
素朴さと不気味さと愛と憎しみと親しみやすさと得体の知れなさが同居したような、フィリピン人のあの顔つき…、
僕の故郷は沖縄なので、ああいう顔立ちには馴染みがあるしユタ(地域に根ざすシャーマンというか占い師というか、土着信仰のカウンセラー/アドバイザーとでもいいますか、そういう人たちが沖縄にはフツーにいます)
を連想したり、途中からCoccoに見えてしょうがなくなったりするんですが、
まず視点は典型的な白人顔の家族のもので始まるので、オリエンタルな家政婦さんがやってくるだけでもう、ドラマが起こる下地が出来上がってます。この映画の場合はとにかく怖い方にいきます。

段階的に明らかになっていく家政婦さんの目的は、書くとネタバレになるか…。
理不尽なとこもあるけどだからこそ怖いし母親の理屈抜きの情念が痛く伝わってもきます。

劇伴の不穏さがよいです。ああいう感じ好きです。
不気味です。不気味な映画です。
たた

たた