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西部戦線異状なしのHOHOのレビュー・感想・評価

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)
3.9
映画が始まった瞬間、いやむしろ映画の扱う内容を知った時から、この映画を観る人は登場人物の死を予感するだろう。
だから登場人物の個性が現れたり、感情的になったりするシーンが儚く、切ないものと映るわけだが、この映画はそれだけではなく、観ている我々にも傷を深く負わせるような、戦場で死に直面する人々の残酷さを突きつけてくる。
仲間に置いていかれまいと戦場に向かった少年たちが、仲間の死や飢え、寒さに苦しんだ結果が塹壕戦の膠着状態だったなんて、とうの昔に終わった戦争のはずなのに、到底許せない。
将軍や国の上層部らが安全で清潔な場で思案している中、兵士たちは銃声の響く戦場で死んでいく。一方で森の木々や降り注ぐ雪は変わらずそこにあり、静けさで覆っていくのが、やるせなくて仕方ない。
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