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フェイブルマンズのmiiのレビュー・感想・評価

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)
3.7
スピルバーグがトム・クルーズに「君がハリウッドを救った」と感謝の言葉をかけたという記事を読みましたが(トップガン マーヴェリック)
今や 家に居ながら配信でいつでも映画を観る事ができる時代になり
彼が初めての映画館で衝撃を受けた あの衝突のように
やはり 劇場だからこそ伝わってくる感動や衝撃が映画にはあるのですよね。

冒頭に 列車と車の激突の場面を持ってきた事から
彼の原点があの場面であったように
映画の原点も そこ。

スピルバーグ監督の家族との関わりから現在の彼へ。
その中で 映画を作る側の葛藤も含んだ作品でした。

彼がこの世界に興味を持ち 足を踏み込んだ経緯から
家族のフィルムで知ってしまった真実など
フィルムの善し悪しも 彼は青年時代から体験しており
観客側の目線でからも 苦い経験として捉えていた。

ハイスクール青春映画ものでよくあるあるな
いじめっ子といじめられっ子の構図を 彼も経験していたとは。
しかも 映画のスター俳優のような人物も居たとは!
自分が主役のように映っていたいじめっ子の彼の内面とのギャップのくだりは
撮られる側の葛藤も盛り込まれていて
本来の自分とは 真逆の人物を 物語を作り上げる事ができるのもフィルム。

あの歳で制作した自主映画のクオリティの高さにも驚かされる。
銃の発砲シーンのひらめきなど
好きこそものの上手なれで より良いものにする為の探究心が自分を突き動かし
趣味から仕事へと転換する為のノウハウなども描かれていて。

夢を実現するために
才能を伸ばしてくれた母親と
経済面で援助してくれる父親
そして 最も大事な部分である本人のやる気
すべてが揃っていた環境で
表現者としての母親の部分と
製作者としてのシビアな部分が父親で
両親の血を受け継ぎ 成るべくしてなった映画監督であったのだと感じたわ。

夢を追う者 サポートする者の参考にもなる物語。
「すべての出来事には意味がある」は
今後に活かすためのパワーに変える事ができる魔法の言葉だわ。
包容力もあり 未来をも見据えた奥行きのある言葉ですよね。
この言葉こそ スピルバーグ監督から私たちへのギフトであると感じました。
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