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マーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーション:ウェアウルフ・バイ・ナイトのkaitoのレビュー・感想・評価

3.4
『ウェアウルフ・バイ・ナイト』

ひっそりとディズニープラスにて配信されたマイケル・ジアッキノ監督『ウェアウルフ・バイ・ナイト』。一応MCUになるのかな?個人的には本格的に絡んできてほしいところ。本編時間54分と短くサクッと観れる今作だが、シンプルに良作だったように感じる。ストーリーは割と単純明快。闇の世界ではモンスターとハンターの戦いがあって、そのグループのリーダーが亡くなる。彼の遺物をめぐって、争いが開かれる。がざっくりとしたあらすじ。

「フランケンシュタイン」や「吸血鬼」などなどゴシックホラーを彷彿とさせる瞬間が多々あり、個人的にはその点はかなり好きだった。映画はモノクロが採用されており、そのなかでも遺物であるブラッドストーンは赤色の輝きを放っていて、それが特別なモノであることが映像を通して視覚的に伝わってくる。また主人公のジャックが狼男へと変貌を遂げるシーンはかなりイカしてる。彼の変身シーンを直接的に写すのでなく、マリアの背後に影として写していた。光のフラッシュと共に変身を遂げている瞬間は、悍ましさを少し感じる。こういったように『ウェアウルフ・バイ・ナイト』は視覚表現の点で好きなことが多々あった。

個人的にネックだと感じるのが、ストーリーに関心を向けづらい点。物語の導入もかなり説明的で受け身になってしまう上、映画前半の推進力もかなり弱いように感じる。正直ハンターたちがブラットストーンをめぐって争うっていうのは、彼らを何も知らない自分にとっては他人事だしかなりどうでもよかった。また視覚的にはその特別性を感じるブラットストーンだが、映画の中ではその石の凄さを説明口調でしか耳にしていないため本質的な特別性は感じられない。たった54分の映画だから今後のMCUに期待だし、『ウェアウルフ・バイ・ナイト』はおそらく今後のための導入だから仕方ない部分もあるかもしれないが…。まあでも後半になるにつれてジャックが大暴れしてくれて満足できた。

最近のMCUに飽きつつはあるし、そういった感情も込み入ってこの点数に落ち着く。視覚的にはかなり好きだったし、個人的には狼男のルックスも好きだった。数分の出演ではあるがマンシングをもっと知りたいと思ったし、導入としてはいい作品だったと思う。
今後に期待。
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