ミツバチゴロバチ

燈火(ネオン)は消えず/消えゆく燈火のミツバチゴロバチのレビュー・感想・評価

3.4
法規制により姿を消し行く香港のネオン看板。それでも「その灯を消さない」と奮闘する主人公たち。と、否が応でも今の香港映画産業と重ね合せずにはいられない構図になっているのが上手い。

ネオンが彩る煌びやかな在りし日の香港の街並み。その同じ通りを写した今の映像の何とクリーンで味気ないことといったら。同じく猥雑なパワーに溢れていた香港映画も今やいずこで、今作でもレオくんの“売れてない後輩芸人キャラ”が醸す広東語のイントネーションにその片鱗を感じる程度です。

作品は、何といってもネオンという題材がいいし、お話もホロリとさせてくれてきれいに纏まっているんだけど、いまいち跳ねなかったな〜という鑑賞後感。
なぜ今そういう人間になったか(によっての関係性の齟齬・修復がお話なので)っていう登場人物たちの掘り下げが甘かったような。個人的には、若かりし頃の付き合いたての主人公夫婦の過去パートに、もっと胸キュン甘酢シーンが欲しかったな〜。くれよ〜!って。
あと(最近観たということもあり)『ポトフ 美食家と料理人』の厨房シーンのように、もっとネオン職人の実作業風景が見たかったかな。

エンドロールで、実在の有名ネオン職人たちのスナップとプロフィール、プロダクトが紹介されるのが胸熱でした。ここだけでドキュメント番組観たい。