富士ウジ子

マンティコア 怪物の富士ウジ子のレビュー・感想・評価

マンティコア 怪物(2022年製作の映画)
3.7
東京国際映画祭で鑑賞。登場人物のセリフや行動から、どういうことなのか「察する」能力が必要な映画でした。そんな回りくどい事はせずに事象を直接映してしまえば簡単なんでしょうが、敢えてそうしない事による趣きってあるよね。同じセリフでも人によって察する内容には違いがあるだろうし。そういう「察し」が必要になる場面がいくつかあって「このセリフはこういう事なんじゃないか?」などと自分なりに考える訳ですが、それがまるで自分の内部を炙り出す心理テストのようで面白かった。
タイトルの「マンティコア」というのは、頭部が人間で胴体はライオンという想像上の生き物の事らしいです。普通の人間のようでいて、中身はライオン(獣)みたいなヤバい奴の例えなのでしょう。そしてその逆の、獣のように見えても中身は普通の人間、という人だって居るんですよね。絶妙なタイトルだわーって思いました。作中の「マンティコア」は誰の事だったんでしょうか。見方によって、ハッピーエンドともバッドエンドとも取れる終わり方も深みがあって良かったです。
誰かと一緒に観たあと「あのセリフ、私の見解ではこうなんだけど」「え、そっち?w」みたいな会話で盛り上がりたかった…(ソロ鑑賞でした)
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