しょうやん

梟ーフクロウーのしょうやんのレビュー・感想・評価

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)
3.9
韓国題 올빼미(オㇽッペミ)=梟
邦題も同じで、梟 同じ題名は珍しい。
梟は、夜目が効き音もなく飛んで来るイメージで、盲目の鍼師が主人公で何故?と思いつつ見ていくと、納得のタイトルだった。
李氏朝鮮王朝第16代仁祖(インジョ)は、暴君で名高い15代光海君を廃し宰相らに押されてなった王であり、清の影響が大きい中、人質として息子(ソヒョン世子)を清に差し出していた。
映画は、そのソヒョン世子が2度目の人質になってから8年ぶりに帰って来てからの話になる。世子は清で患った感染症で亡くなったと記されてるが、その亡骸は尋常でなかったため毒殺されたともいわれ、謎が多く”怪奇の死“として史実に残されている。
ちょうどこの同じ時代、清に同行した通訳を主人公としたドラマ『恋人』の放送が先日終わった所で、背景や顛末がわかった中での鑑賞だったので、緊張感、躍動感満載でグイグイ引き込まれ、ラストまであっと言う間だった。
盲目の鍼師を演じたのは『応答せよ1988』のリュ・ジュンヨル。見えない演技は真に迫る物で、圧倒的な権力に対して揺れ動く感情と曲げられなかった正義感と情は、見ごたえあり今後楽しみな俳優だ。
対する仁祖を演じるベテランのユ・ヘジンは、威厳、狂気、憐れ、どの演技も圧巻で彼あってのスリルと恐怖だった。
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