ハル

梟ーフクロウーのハルのレビュー・感想・評価

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)
4.0
息つく間もないスリリングな緊張感が最後までノンストップ!
史実の作品ということで、自分には合わないかな?と、スルー予定だったけど「この作品、良かったよ!」と教えて頂き、劇場鑑賞へ。

うん、これは面白い!!
時代劇が苦手な方でも十分没入できる作りになっていた。
というのも、言葉(訳し方の問題?)や所作が現代的で古臭さを感じることもなく、スッと入ってくる。
時代背景を知らずとも、理解は容易。
宮廷内で巻き起こる、規模の大きなワンシチュエーションサスペンスのようなものなので、セットの壮大さとは裏腹に登場人物、場所も限定的。
非常に分かりやすく、親切な設計。

また、盲目の鍼師を演じたリュジョンヨルが実に巧みだった。
慌てふためきながらも、芯の通った行動をし続けたからこその結果。
『目が見えない』ハンデとそれを超越した感覚、そして…
あの特質は作品を成立させる中核だし、実に効いていた(あれも歴史どおり?)

しかし、国を違えても、時代を違えても、権力に群がる人はいつだっているね…
次々に謎が明らかになり、クライマックスへ向け、臨場感はどんどん高まる。
「あ、そうだったのか…」と思わず呟いてしまった、ラストも見事な締め方。
心理戦と駆け引きの果てにある、人間の本質を見た気持ち。
納得感を得て、肩の力が抜けたところでエンドロール。

怒涛の展開、緊張感漂う作品だったので、帰りは韓国料理屋さんへ立ち寄り、ビビンバやチヂミを食べて疑似韓国ツアーを満喫。
身体と心を緩めて帰りました。
ご一緒した方が注文した未知の食べ物“ソルロンタン”を一口貰えばよかったな。
ハル

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