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ソウルに帰るのbarakachanのレビュー・感想・評価

ソウルに帰る(2022年製作の映画)
3.8
韓国で海外に養子を出す人が多かったと聞いてたけど、ここまで多かったとは知らなかった。
劇中で朝鮮戦争以降、累計で22万とあり、かなり驚いた。仕組みはあっても、子だけでなく、親、親族に解決の難しい感情が生じ、プラスにもマイナスにも変化する。
主人公のフレディは感情を表に出すので、わかりやすく描かれていた。
劇中で通訳してた友だちが最後怒ってたけど、私にとってもかなり苦手なタイプだった。フランス育ちの複雑な背景をもつ韓国人とはいえ、自己中でこんなに破天荒に描くのはどうかと。ただ、監督がトークショーの中で、彼女はいままでのこのような映画で描かれるタイプとは違い、運命をそのまま受け入れるのではなく、運命に抗いながら、切り開くことを描きたかったとおっしゃってて、少し好きになれた。

そんな彼女に変化をもたらすのは、ちょっとアル中気味で、空気よめないお父さん。メール送るなとけちょんけちょんに嫌われても、彼女へ連絡とり続けて、ときに精神的に彼女を支えることに。方やお母さんは、再会を果たすものの、表面上にすぎないものだった。母性愛>父性愛とは逆の描き方は、結構いいもんだと思った。

主人公を演じたキムジミンさんは実物のほうが数倍可愛かった。明朗快活なチャーミングさを持ち合わせつつも、知的で、謙虚で、ファンになってしまった。これからもいい役に恵まれてほしいな。
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