過去鑑賞、思い出しレビュー
中世イタリアの修道院を舞台に、修道士(ショーンコネリー)とその弟子(クリスチャンスレーター)が、不可解な連続殺人事件の謎を追う、ジャン=ジャックアノーによる重厚なミステリー。
修道院などの建物やインテリア、書物などの細かい小道具に至るまで、中世を忠実に再現しており、芸術的観点からも素晴らしい。
まるでシャーロックホームズのような探偵ぶり、弟子との細かい会話のやり取りも微笑ましくショーンコネリーの圧倒的な存在感も相まって飽きることはなかった。
(信仰と狂言の差はわずかしかない)
本作でショーンコネリー演じるウィリアム修道士が発するセリフであるのだが、私は無宗教の人間なので激しく同意する。このセリフに全てが詰まってる気がする。
お布施で煌びやかな色とりどりの高額な衣料を纏う高僧達しかり、人間の主たる表現力(笑い)を悪とみなす考えも、全て人間どもの勝手な思い込みと解釈。そして自分達の権利を守る為。
この世には神じゃなく、人間が生み出した都合の良い宗教で埋め尽くされている。人間は間違い、間違いに気付けない動物だ。
昨今のカルト教団にも言えること。