rage30

M3GAN/ミーガンのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

子供向けAI人形の暴走を描いた作品。

所謂、殺人人形を描いた作品という事で『チャイルド・プレイ』を想起させますが、昔ながらの人形だったチャッキーと比べて、本作のミーガンはリアルドール風のデザイン。
服装もオシャレだし、非常にクールなビジュアルが新鮮でしたね。

「不気味の谷を目指した」との事で、美しいだけでなく、どこか不穏さを感じさせるのも良いし、人形と人間を使い分けた撮影も興味深いところ。
「ここは人形だな~」とか「ここは中に人間が入っているのかな?」という事を考えながら見るのが楽しい作品でした。
やろうと思えば、全編CGにする事も可能だったと思うのですが、本作を見ると、今やアナログな撮影の方が豊かで贅沢なんじゃないかと思わされます。

ちなみに、ミーガンの中に入っていた子役はダンサーらしく、あのアクロバティックな動きも本人がやってると知って驚きました。
あの部分だけは、流石にCGなのかと思ってたんですけどね。
奇妙なクネクネダンスも印象的で、アメリカで流行ったというのも納得ですし、『チャイルド・プレイ』では届かない層にまで届けた事が、本作の新しさなのかもしれません。

一応、ジャンル的にはホラーという事になっていますが、個人的には怖さよりも、ミーガンを応援しながら見ちゃったかな。
ミーガンに殺される人間は基本的に嫌な奴ばかりなので、ミーガンの所業にはスカッとする部分があるし、そういう意味では彼女をヒーロー視する事も可能でしょう。(わざわざ開発者2人の無事も確認させますからね)
ホラーアイコンにしては、異常に好感度が良いのもミーガンが愛される理由の一つな気がします。

ここまでミーガンばかりについて語ってしまいましたが、勿論、映画自体の出来も良かったですよ。
人形(AI)に子育てを任せる事の是非といったテーマは考えさせられるものがあるし、親という役目に向き合えなかった主人公の成長を感じさせるストーリーもよく出来ている。
細かい部分では、姪のケイディを演じたヴァイオレット・マッグロウが印象に残りました。
玩具に夢中になって悪態をつく時の、あの憎まれ顔たるや…これぞクソガキって感じがして最高でしたね。

敢えて不満点を言えば、殺害方法に関しては、もうちょっとオリジナリティーが欲しかったかなと。
ミーガンならではの殺しが見れなかったのは、物足りなく感じたので、この辺は続編に期待するとしましょう。
とにかくまぁ、ミーガンという今までにないクールでスタイリッシュなホラーアイコンの誕生を祝いたいですし、今後も末永く活躍してくれる事を願っています。
rage30

rage30