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クリード 過去の逆襲のAyaxのレビュー・感想・評価

クリード 過去の逆襲(2023年製作の映画)
3.6
本国での評価は上々で、日本での評価は微妙なので、イマイチなのかなあとあまり期待せずに観に行ったら、意外と面白いじゃん!という気持ちになって、最後失速という感じ。
まあ、私は黒人俳優の中で一番好きなのがマイケル・B・ジョーダンなのでそれだけで加点。イケメンだな〜。花丸!(チョロい)
「ロッキー」から繋がっている物語で、今まではロッキーが全部出演してたけど、今回は一切出てこず、完全にクリードの話にしたかったのかな。「ロッキー」といえば、相手が最先端技術を使ったトレーニングをしてるのに対して、ロッキー側は原始的なトレーニング(鶏を追いかけて捕まえるなど)で挑むのが定番のイメージがあるんたけど、今回はそういう対比がない。プロペラ機(飛行機)を引っ張るシーンとか面白トレーニングシーンはあるっちゃあるが。アドニスはレジェンドチャンプでセレブだし、敵のデイムの方も服役してたという設定(ゆえに恵まれた環境ではない)だから、どっちもそこそこの泥臭いトレーニングなっちゃってあんまり差がない。
そのデイム役のジョナサン・メジャースはMCUの方でカーンを演じことで話題になって、雑誌のグラビアの写真とか見て、めちゃ体仕上がってるなと思っていて、今思えばこっちの撮影もあったのねという。ぶら下がった2本の綱を両手で持って腕だけでよじのぼっていくトレーニング(説明難しい)のシーンとか、おそらく吹き替えなしで本人がやってると思われ、凄まじい。
ジョナサン・メジャースは、肉体だけじゃなく演技も素晴らしかったよお。胸糞野郎気質と愚直さとハングリー精神を持ちながら、クリードと兄弟のように育ったのに今は天と地ほどの差が付いてしまってどうして?という悲しみも湛えている。その全てを内包した難しい役どころだけど、全部ちゃんと伝わってきた。プライベートでガールフレンドを殴って起訴され、所属プロダクションとの契約もなくなったと報じられていて、このまま映画界から退場しそうな雰囲気。暴力絶対ダメだけど、今回の演技を見せられるとちょっと残念だなあ。もったいないなあ。カーンどうするんだろう。
ということで良かったところはジョナサン・メジャースの好演。あと誰でも身に覚えがあのではないかという友達同士の疎遠の話にしたところ。
失速したのはトレーニングシーンが食い足りないところとか、クライマックスの試合の演出とかそのあたり。カメラワークも結構動いて見づらかったけどそんなことない?お母さんのところが結構あっさりしすぎでは?など。あのデイムから送られてきた写真も誰かわからなくて???ってなった(後で調べてわかった)。本国で評価高いのは何でなんだろう。短編のアニメが謎だった。
「クリード」は一作目が大好きで、自分が書いた過去のレビューを見ると「嗚咽」としか書いてないんだけど、確か一作目はミット打ちや試合中に傷を治す人が本職の人でその職人技を見られるのが職人好きとしては堪らなかった。今作も多分プロを起用してると思うけど、大好物の職人シーンは少なかった。一作目は、レフェリーがちゃんと目が見えてるか選手に確認するときに指を出して「何本に見える?」と聞いてくるんだけど、レフェリーに見えないように教える技とかあった気がする。そういうところが地味にアガるポイントだった。ストーリーもボクシングシーンもめちゃめちゃ良かったので「クリード」一作目はとてもおすすめ。でも「クリード」を100%楽しむためには、ある程度「ロッキー」の履修もした方が良くて、「ロッキー4」かせめて「ロッキー3」くらいまでは観ないとかなあ。観てない人には「ロッキー」マラソン頑張ってくれとしか言えないけど、そのマラソン後に「クリード チャンプを継ぐ男」を観たら最高ってことは保証するよ!
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