たく

オットーという男のたくのネタバレレビュー・内容・結末

オットーという男(2022年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

シンプルに良い映画。ハートフルで、暖かい気持ちになる。

ガンコじじいのようなオットー。ホームセンターの値段の決め方に文句言うし、いちいち駐車の仕方にはうるさいし、ペットのおしっこにも口を出す。いわゆる老害タイプの老人をトム・ハンクスがほぼ笑わず演じているのは見事。あのしかめっ面がいかにもガンコじじいっぽくて良い。

この現在とのギャップで、過去の彼が描かれているシーンがまた良いのだ。
50年前を回想する映像のタッチがノスタルジックで美しい。妻との出会いや悲しい現実も、どこか暖かく描いているように思えた。

そんなガンコじじいだが、結局世話焼きでそれによって彼の周りには良い人たちが寄ってくる。人によって生かされている事を感じた。

一番好きなシーンは、マリソルに心を開いたオットーが妻について話しているときに"she was a color"と言ったシーン。失って気づく、自分は誰かに生かされていたんだと言うのを現す象徴的な言葉だった。

コメディ要素も強く、こういう暖かいヒューマンドラマはやはり良い。
たく

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