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愛と哀しみのボレロの&yのレビュー・感想・評価

愛と哀しみのボレロ(1981年製作の映画)
4.0
【2014/4/7:HTC渋谷】
3時間もあるけど、観て良かった。TSUTAYA発掘良品さんありがとう。
登場人物が多く、しかも一人二役三役当たり前なので、話を追うのが難解と聞いていたが、わたしは同じ役者がその血を二役三役で演じるからこそ整理できた。別人がやったら余計わけわからん。
生まれながらに運命を背負ってる、なんて思ったら人生つまらないかもしれないけど、血というものには抗えない。戦時下、神はなくとも人は生き、死ぬだけ。ある意味メメントモリ感、或いは諦観とも捉えることが可能な、世代を超えた壮大な物語が一つの芸術・文化の表現へと集結するラストは圧巻。先に述べた各人の人生の筋書きを追うことなんてどーでもよくなる。
様々な人生、それぞれのドラマがあり、しかしそれらはいつか終わる。ラストで目にするのは、永く紡がれていく血の、ほんの短い瞬間だろう。それでも、あのラスト約20分間に体験する強烈な音楽と魂こそが、生の意味を知らしめるのだな、とか。ちょっと本気で思ったりしました。
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