このレビューはネタバレを含みます
案の定、ゴジ泣き。
予告の通り、今回のゴジラは明確に人類への敵意を剥き出しにしており、人間と見れば踏み潰し、薙ぎ払い、喰らい、熱線を吐き散らすと、歴代ゴジラ全体から見てもとにかく容赦が無い個体だった事に関しては個人的にスゴく好きなポイントだった。
しかもそのゴジラが暴れている光景を前にした時、逃げる事を忘れ、立ち止まってしまって呆然と眺めている人々のシーンも中々生々しくて、好きだったし、ここまで厭なリアリズムを見せてきたのは1作目やGMKゴジラ以来なのでは？とちょっと関心すらした。
しかし、やはり山崎貴。映像面に関しては業界トップクラスで良い画を見せてくれるのだが、ドラマパートのサブさは彼の手がけた過去作同様に相変わらずの酷さだった。
演者達の大仰な演技や過剰すぎる演出の数々に、しまいにはあそこまでゴジラさんが本気で人間を殺し回っているのに、メインキャラだけは何故か死なないご都合主義。これらを目にした時、俺が幾度か白目を向いたのは言うまでもなく。
挙げ句の果ては、唯一の長所であるゴジラより、クソつまらないコレらドラマパートが尺の大半を占めていた点で、後半は死んだ目になりながらスクリーンを眺めていた。
人間達がゴミのようにゴジラに殺されていくシーンをハッキリと映した点においては過去のゴジラシリーズから見てもよくやってはいた方だけど、それ以外が全力でその長所の足を引っ張ていた印象。今年ワースト。
