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ゴジラ-1.0のxoのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
2.0
「ゴジラ」を期待して観に行ったら、山崎貴の映画だった。
自身が言いたいことのためにゴジラを利用している。特攻を礼賛、戦意高揚、プロパガンダ的。「戦争」や「敵国」とは違い、ゴジラを退治されて然るべき害獣としてのみ描いているぶんタチが悪い。

それを支えるのは薄っぺらい人間ドラマ。お国のため、家族のため、未来のため、、それらが肯定的な文脈でのみ表現される。最後に物語にツイストを効かせているものの、彼の主張の味の濃さは少しも薄められはしない。

そもそも映画として下手。主人公と周辺以外が背景化していて、セカイ系ばりに不自然かつ都合の良い展開や描写が続く。
むしろ、最後「ぜんぶ夢でした」だったら納得できた。。

演出が下手なあまり、神木隆之介にしろ浜辺美波にしろ子役にしろ不自然なまでに突然キレたり泣き出したりするところがあったり、全体的に演技テンションが統一されておらずリアル志向の安藤サクラが浮いてしまっていたり、現代的な話し言葉と古風な言い回しとが混在していたり、いろいろと気になりすぎる。

ドラマパートを全部カットしてくれていたらなぁ…。ゴジラが画面に映っているところはすべて見応えあったし、楽しかった。
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