こういちろう

ゴジラ-1.0のこういちろうのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
2.9
山崎貴監督ということで脚本には全く期待しておらず、自分の中のハードルが低かったためか、意外と楽しめたし時間を感じさせなかった。特に言えば、VFXと音響と音楽がよかった。脚本に関しては、説明ゼリフの多さ、話の展開の強引さ(ああなって、生きてるってあり得る?)など、質が低かったが、予想通りなので特にがっかりはしなかった。むしろ、そんなことある?というツッコミどころがたくさんあって、笑えたので逆によかったかも知れない。
1940年代後半の設定も意外とよかったのかも知れない。ただ、占領軍である米軍は日本の安全保障に法的な義務を負っているはずで、ソ連を刺激しないためにGHQは何もしないって、ちょっと納得できる理由ではない。ただし、米軍を登場させると、最後は原爆使うよとなって、それをさせないために奮闘する日本側という構造になり、結果的に『シン・ゴジラ』に似てきてしまうので、まあ、仕方がないのかも知れない。
役者陣の演技に関しては、ほぼ全員の演技が上滑りしている印象があった中で、アキコ役の永谷咲笑の泣きの演技(演技ではないのだろうけど)が真に迫っていてよかった。安藤サクラもよかったが、安藤サクラの無駄遣いだろう。
VFX含め、それなりに見どころがあったが、それはこの映画が『ジュラシック・パーク ロスト・ワールド』と『ジョーズ』と『永遠の0』を足して3で割って水で薄めた作りにしているからだろう。
ただやっぱり、『シン・ゴジラ』ほどの中毒性はなく、一回見れば十分な映画だなと思う。