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ゴジラ-1.0のsappnoのネタバレレビュー・内容・結末

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

敷島は特攻隊員として出撃するも、生への執着と死への恐怖から小豆島へ着陸、機体に不備があると嘘をついたが見抜かれる。その夜敷島が見たのは、恐ろしい破壊力をもち整備兵を破壊し尽くした「呉爾羅」であった。生き延びて東京へ帰り、特攻せず生還した事を恥晒しと罵られて罪の意識に苛まれる敷島は、ふとしたキッカケからゴジラと再び相見えることとなる。家族を守れるのか。敷島と日本にとって、本物の終戦は訪れるのか。ゼロからマイナスになった日本に、未来は来るのかー。

以下ネタバレ含み減点と加点について語ります

イマイチポイント

①主人公補正
敷島(神木くん)生命力強すぎ。少年ジャンプの主人公よりも無傷で戦えすぎていて、だいぶ不自然。飛行機で口に突っ込んでも傷が無いのは流石におかしいかな〜。

②ヒロインの必要性
浜辺美波演じるヒロインは生命力はさておいて、あの安っぽいドラマ性が必要なのかは微妙。未成年の女の子が見ず知らずの赤ちゃん抱えて彷徨う必要は無いんじゃない?あと、夫婦になれないまま生きてるのも理解しがたい。浜辺美波の演技力がバツグン故にドラマが安っぽくて悔しい。

③ゴジラ爆誕シーン欲しい
ゴジラがなぜ出来て、なぜやたら日本を執拗に狙うのか?が全然描かれない。ほんとはそこも欲しい。水爆実験から発生したシーンも軽すぎる。てかアメリカとかでは暴れないの??純粋に疑問。

④ご都合退治
あまりにも作戦がうまく行き過ぎて、ウーン…てなった。敷島も特攻やめただけの割に飛行機操縦プロ過ぎる。あんなに思い通りにいくものかな…?(ワダツミ作戦)

最高ポイント
①ゴジラのリアリティ
大地を踏み鳴らし生活をぶっ壊していく様がリアル。銀座を踏み鳴らすとき、道路がきちんと隆起するシーンがあって最高でした。あの質量で道路歩いたらそうなるよね!!分かってらっしゃる!!あとあんだけ巨体だとノロノロしてんだよね!!テクテク歩かないところが良かった。マジでリアル。

②民間で倒すという滅茶苦茶さ
行政で戦うシンゴジに対し、こちらは民間人でゴジラをなんとかしようとしていくところが対比的で良かった。限られた物資と戦艦で、どうにかしてゴジラに立ち向かう有志たちが素晴らしい。作戦も割とムチャで良かった。憶測にすべてを賭ける、モンスターが現実にいたらそりゃそうなるよね。実証実験なんか出来るわけないんだもん。

③熱線シーン
シッポから脊椎がボコ、ボコ、ボコと音を立てて光るあの絶望感。そして口に溜めるだけ溜めて吐き尽くす熱波の恐ろしさよ。乱発できないのに1発の重みがエグすぎて恐ろしかった。口がデカデカ映るのも怖くてサイコー。「アレがゴジラの熱線…」って真っ青な顔で呟くシーン良すぎない???

④破壊と再生の対比
日本が戦禍から立ち直ろうとするように、ゴジラも海の底でふつふつと再生を始めている。同じ歩みを進めていくラストシーンが素晴らしかった。希望と絶望の繰り返し、これがゴジラ。

⑤エンドロール
皆さん、映画館ではエンドロール退屈ですよね。ゴジラ-1.0はエンドロールのラスト1分がサイコーですよ。無音の静寂から足音が少しづつ我々に近付き、山崎監督の名前と共にバカでかいゴジラの咆哮が響き渡るのが鳥肌モンで最高です。監督の魂の叫びみたい。

⑥安藤サクラの良さ
敷島が帰ってきたときに罵るし、偽善者だと嫌味を言うオバサン役なんだけど、結局赤ちゃんのためにお米をあげて、大きくなったら母親代わりを務めてるところが泣けた。安藤サクラの怪演が光ります。初め15分はマジで嫌なお隣さんなので注意。

総括すると人間ドラマと主人公補正で減点20点ですが、ゴジラの迫力とリアリティで加点1000000000000点なので問題ありません。恐ろしいゴジラを肌で感じられて生きてて良かったと思いました。IMAXとかDOLBYでぜひゴジラの咆哮を全身に浴びてください。泣きます。あと5回は劇場で見ます。劇場で見るべき映画に久々出会えて感激です。
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