sappno

首のsappnoのネタバレレビュー・内容・結末

(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

群雄割拠の戦国時代。暴君:織田信長は日本統一を目指し戦に明け暮れていたものの、毛利軍の抵抗、家臣:荒木村重の謀反などから統一は難航していた。信長の傍若無人にかねてから不満を募らせ、いつでもすげかえる気でいる家臣たち。耐えかねている家臣の一人明智光秀は、ある日村重を己の城に引き込むことになるが、一方そのころ、豊臣秀吉、徳川家康、千利休などの人物がそれぞれの思惑で動き出す。一体、天下は誰の手に―?

★イマイチポイント
①情報量が多すぎる
どうにも武将と陣地が大量に出てきて、不勉強な自分が悪いのだが整理が追い付かなかった。メインの武将は何度も出てくるのでよいのだが、説明なしでいきなり出てくる家臣とか謎のお坊さんとか少しびっくりする。大河が1年かかるのも納得。日本史、もっとちゃんと勉強すべきだった…。

②そのグロ、いる!?問題
アンチ大河、ということで首がポンポン飛ぶ。それはもちろん良いとして、切断面とか容赦なく見せてくるから覚悟してたけどビビった。そのへんのホラー映画くらいには血も骨も肉も見えるぞ!口の中に×××…ウワ…

③方言に字幕ほしい
これはワガママ(笑)。織田信長、尾張弁がきつすぎて何言ってるのか聞き取れなったのが無念!最初の5分ぐらいマジでなんて言ってるのかわかんなかった。きらりん☆レボリューションのおかげで「おみゃー」だけ聞き取れた。ありがとうちゃお。

☆GOODポイント
①綺麗ごとではない生々しさ
美化された歴史物語ではなく、「人間の狡さ」「弱さ」「意地汚さ」をぜんぶきっちり見せてくれるのが爽快感。天下を欲したり、自分のために生きようと思ったら誰だってそうするよね~!って感じ。弔い合戦でなく、みんな自分のために戦ってるのが最高でした。

②無駄のない会話・無駄でしかない会話(バランス)
説明チックになりがちな大河ドラマと違い、基本登場人物の短いセリフで戦の状況や天下の状況、それぞれの人物の評価を端的に言ってくれるからとても見やすかった。そうかと思えばギャグシーンを適度に織り込んで漫才みたいに見せるし、この繰り返しで飽きることなく見ることができた。

③汚い!でもそれでいい!
よく見るとお城や着物も、みんなキラピカではなくそこそこボロかったり小汚かったりする。農民はお風呂なんか入れないから真っ黒。女の人なんて化粧もできないからすっぴんで土にまみれて髪もボッサボサ。でも、絶対リアルはこうだったよねと思える現実性。
あと、死体や首も汚いのがとても良かった。あんな環境で戦ってたらそりゃ土にまみれるし、傷もつくし、腐敗もするよね。テレビじゃできない生首のシーンがめいっぱい出てくるのも皮肉で笑った。

♡お気に入りのキャスト
大森さん・浅野さん・柴田さん・勝瀬さん・遠藤さん・青山さん

気になること・不明点はいろいろあるけども、総じてエンタメに仕上げられた面白い作品でした。日本史を丁寧に学習していれば面白さも倍になったに違いないと思うと悔しい!これから見に行く人は日本史(戦国時代)をさらっと学びなおすといいかもしれません。弥助って外国人侍なんだとか、曽呂利って実在の人物なんだとか思うともっと面白かったかも!はかない夢にすべてを賭けながら、もう少しで手が届くという矢先、少しずつ朽ちていく信長の様子が無様でかっこよくて最高でした(お能のシーンが好きです)。すごいぜ加瀬亮…(沼る)。
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