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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎のsappnoのネタバレレビュー・内容・結末

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

水木は戦争から生還した帰還兵。現在は銀行員として勤めているが、ある日担当している製薬企業の当主が死去したことを知る。捨て駒にされずのし上がるために村に乗り込む水木だが、そこは謎の血液製剤などいわくの多い村だった。謎の男「ゲゲ郎」とともに、連続殺人事件と忌まわしき村の秘密に迫る水木。果たして無事に戻ることはできるのか、秘薬「M」とは正体とは―。

★イマイチポイント
①「もっと説明して!」
展開がなかなか超展開だった。シーンがバンバン切り替わるので、「え?それでいいの?」と疑問に思う場面が…。良くも悪くもいろいろ削り落とした感じ?敵もすぐ納得したり、思ったより処遇が軽かったり、以外とちょろかったり。でも監督だいぶ苦労して分数を縮めたみたいだから、本当はもっと細かい設定もあるのかも!

②水木タフすぎ問題
水木、お前人間だよな…?幽霊族じゃないよね?と思うくらいには主人公の生命力が強い。というか彼は「運がいい」なのかな?一般人なら天国に直送されそうな事案がたくさんあった。最後の桜なんかなんで生きてるんや…てなった。

③鬼太郎誕生!は最後の5分くらい
タイトルにはあるけど、実際鬼太郎の誕生そのものは最後の5分くらいで描かれている。どちらかというと両親(主に父)や幽霊族、そして彼が誕生するまでいかに大変だったかに焦点が当たっている感じ。

☆良いポイント
①水木があんまりにもキャラ良…
戦争帰りで草臥れているように見える水木だが、生き残ることに懸ける想いとギラギラ感が昭和のリーマンって感じで最高だった。こんなにカッコいいオジサンだなんて聞いてなかった…。やられた…。箱で叩いて葉を落とす煙草のシーンがやたらリアルなので、煙草好きな人がスタッフにいたのかな…?水木の声優さん、初知りだったけどアニメっぽくなさが逆にとても良かった(リアルで)。ジブリみたいな感じ。

②バディの距離感
近年のバディものは友情や絆にやたらこだわるけど、水木とゲゲ郎は信頼関係のみで以外とあっさりしたバディなのが非常に納得した。やられているときに大げさにかばったりとか、やたらめったら褒めたりしない。酒飲んだときに本心語りだす。最初は利害の一致で組んでるあたりも大人ならそうよね~って感じで解釈一致でした。

③きちんとホラー
子供向けなのにPG12なの?と思ったら結構人間模様はエグイし、死体の描写も怖いし、やばいところはきちんと隠しているけど創造で補えるグロ場面は結構多かった。そういえば鬼太郎はジャンルでいうと「ホラー」なのか、と思い出させてくれる。みんな仲良し!平和!みたいなごまかしストーリーじゃないところがとても良かった。エグみ具合は横溝正史かと思った。

総括
【横溝正史+ドラゴンボール+妖怪ウォッチ+京極夏彦】という感じ。映画館で鬼太郎作品を鑑賞するのは初めてだったけど、とても満足しました。思ったよりちゃんとホラーだったしグロ要素強めでたまげた。水木に沼る人が多いのも納得かな…。細目の石田彰が浴びれたのでとても健康に良かったです。無残様と同一人物(中の人)と思えないゲゲ郎の懐の広さにギャップでちょっと笑ってしまった。ゲゲ郎の戦闘シーンの気合にビックリした。もう一度くらい見たいかも!
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