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オオカミの家のsappnoのネタバレレビュー・内容・結末

オオカミの家(2018年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

ひとことで言うと「インフルエンザの時にみる悪夢@3D」74分拡大版!!て感じ。

マリアはドイツ系コロニーで暮らす少女。夢想ばかりして働かず、子豚を逃がしたマリアはコロニーから厳しい罰を与えられる。耐え兼ねたマリアは逃げ出し、森深い家に忍び込む。その家にいた子豚をペドロとアナと名付け、ヒトの肉体と教養を与えるマリアだが、ペドロとアナはだんだん欲深くなっていくー。

考察
①この映画はなにが言いたいのか?
見えないオオカミに怯えるマリア、恐らくそのオオカミの正体はコロニーそのものの社会主義的思想。逃げてはならない、みんなで与えあって幸福に、この文句が何度か繰り返される。
最後にオオカミが言う「わたしはずっと傍にいた」は、もうコロニーが染み付いて逃れられないマリアそのものの思想の現れかな?
オオカミは結局マリア(の頭の中)そのものだったんだろうな。

②ペドロとアナはなにか?
たぶん人間の根源である「欲」そのもの。与えられるだけでは足りず、より多くを欲しがり、与えてくれる存在にいつしか仇なす存在へとなる。育ての親を食べようとするシーンはいちばんビビったかも。ちなみにマリアも結構身勝手で、子豚から人間作っておいて教育するのを面倒くさがるシーンもあったので、結局マリアはただのワガママ娘。

③コロニーそのものは幸せなのか?
これは微妙だが、思想で縛られた自由が与えられるコロニーは人を選ぶ花園。己を差し出して与えられる人生を送りたい人にはピッタリかも。マリアみたいに。

美しく若い愚かなマリアも、結局は自由を奪われたまま幸せに規則まみれのコロニーに帰っていく(しかもその後は「いい子」になる)。人間の幸せとはなにか?最大多数の幸福とはどこにあるのか?と思ったりしました。

テキトーに書いてるけど空腹で見たら具合悪くなりました。気合い入れて見よう。
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