ふぇりな

ゴジラ-1.0のふぇりなのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
3.7
予告編がそれほど刺さらなかったので観る予定なかったのですが、「今年1面白かった」「これで泣かなきゃ人間じゃない」とか言う過激派の父に連れられて観に行くことになりました(どういう導入?)。
まー言うて泣かんやろ……と期待激低で観たのですが、ちょっと涙ぐんでしまってなんか悔しいです。笑

確かに思っていたよりも良かったし、アメリカで評価されるのも頷けるな、と感じる部分は多かったです。特に、主人公敷島の心理描写が非常に丁寧で、帰還兵のPTSD・生存者の罪悪感という今まであまり描かれなかったであろう側面が見事だったと感じました。そのあたりの脚本や演出も良かったですが、何より敷島を演じた我が推しである神木隆之介の演技が素晴らしかったです。彼の映画だと言っても過言ではないくらいに、敷島という人物の苦悩を演じきっていました。以前から彼の演技は好きでしたが、さらにもう一段階上のレベルに行ったといいますか…ただのファンでしかないのにこんなことを言うのも恐縮ですが、過去最高にして新たな領域に達した感動的な演技でした。改めてファンになりました。大好きです!!!

神木隆之介のみならず、本作の俳優陣の演技は皆さん良かったと思いますし、全体のストーリーも(途中で読めはしましたが)、心に響くものになっていました。途中まで、生き残りたいのか、それとも戦争で死ねなかったからここで死にたいのか…その辺がブレていたので不安でしたが、終盤のまとまりで安心しました。
戦闘機や駆逐艦もとてもリアルで、どうやって撮ったの!?という感じでしたね。かっこよかったです。

ただ、心理描写以外の、特にゴジラ登場シーンではちょくちょくツッコミたくなったので、そこはノイズになりましたね…。反核を感じさせるところはよかったですが、〇ッションインポッ〇ブル並のとんでもアクションはさすがに笑いましたし、普通死んでるだろと思いました。笑 逃げるのも直前すぎるし、進行方向に逃げたらダメだろ…それくらいは戦後のひとでもわかるのでは…。全体的に都合よく動いてる感があったというか、作戦考案中は上手いこと海の中に隠れてくれてるゴジラ(というかいつ海帰ったの?)、めちゃくちゃ協力的じゃん、とか思っちゃいました。笑

敷島付近の心理描写は本当に優れていたと感じましたが、そうは言っても今年1とか大絶賛するほどか?というのが正直な感想でした。ただ神木くんはもっと評価されてほしい…!と、1ファンとして思います。
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