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ゴジラ-1.0のidtakoikaのレビュー・感想・評価

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)
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戦争に負け、今度は怪獣にも街や暮らしを蹂躙され、それでも俺たちはやっていくんだ。力を合わせればできるんだ! そんな「被害者」としての意識を慰撫してくれる作品だなと思った。
ゴジラがいる限り、自分たちは(国も人も)無垢な被害者でいられ、戦争における加害性は透明にしてよいことになる。この映画で加害性を描け、とまでは思わないが、まあそういうのを考えたくない人からしたら気持ちいいよな、とは思った。であれば、随所に挟まれる家父長主義的発言とかも、きょうび大っぴらにさせてもらえない分、気持ちいいのではなかろうか。

また、アメリカや日本政府がほぼ何もしないというのも違和感を覚えた。民衆がボトムアップでかましていく快楽を優先したのだろうが、自助・共助しかないところが切ない。

海外(アメリカ?)で人気な理由のひとつには、俳優の匿名性があると思う。邦画だとどうしても俳優の格から「さすがにこの俳優出しておいて、こんな序盤でねぇ…」とか思ってしまい、没入しきれなくなってしまう。ただし、これはこの作品に限らないことだし、こんなことで没入できなくなる自分が悪い気もする。
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