Emma

チャタレイ夫人の恋人のEmmaのレビュー・感想・評価

チャタレイ夫人の恋人(2022年製作の映画)
4.0
チャタレイ夫人の恋人ってものすごくリメイクされてて、官能ジャンル、お色気要素の強い作品というイメージがあったので1つも見たことなかったのですが、今回のリメイクではザ・クラウンでダイアナ妃を演じたエマ・コリンが出ている!ということでお芝居見たさに、ネフリで見てみました。

人妻の道ならぬ使用人との恋という、いわゆる不倫がテーマにつき、本作でもラブシーンは多々あるものの、なんかね、ロケ地が美しすぎて、もう草原やら川やら森の中やらで2人が潔いほど一糸纏わず愛し合うシーンとか、アダムとイブかよ!ってツッコミたくなるくらい清々しいんですよ笑。生々しいのですが下品ではない、ちょっと滑稽にも見えるけど、地球上でこの2人にはお互いしかいない、まさに2人の世界!!!!って感じがすごく絵から伝わってきて。ある意味、恋の盲目さみたいなものもヒシヒシと画面を通して伝わってきて。そ」がすごく良かったです。

チャタレイ夫人の旦那のモラハラぷりと、ジャックオコネル演じる使用人の雄々しさ、誠実で硬派な佇まい、この対比がクッキリとしすぎてて、「不倫」という現代社会ならまず炎上の種になりそうな恋模様も、この物語ではとことん純愛、応援したくなってしまいます。

だがしかし、いきなり2人がラブシーンに突入するシーンは唐突すぎて、そこに愛はあるんか?と大地真央の声で脳内にナレーションが響き渡り、チャタレイさすがに落ち着けと思いました笑。でも、だんだんと突発的な衝動から愛が芽生えていくところがリアルで。

なんの娯楽もないこんな閉鎖的な自然だけのある環境で、広大な土地の片隅で目を盗んで会える魅力的な人との時間が用意されてたら、そりゃもう若い2人は恋に落ちてしまうでしょう…と納得させられるリアリティがこのロケーションにはありましたね。

後半、2人が離れ離れになるくだりでは、アンナカレーニナでアンナが社交界の女たちから白い目で露骨に煙たがられるシーンを彷彿とさせる場面もあり、ちょっとつらかった。

ベスト5!とかに選ばれる類の映画ではないですが、恋の炎を閉じ込めたような作品でした。
Emma

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