Tully

名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)のTullyのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

八丈島近海に建設された巨大海洋施設 「パシフィック・ブイ」 世界中の警察が持つ防犯カメラを繋ぐための、画期的な施設である。本格稼働に向け、世界各国のエンジニアが集結しネットワークを接続。「顔認証システム」 を応用した、老若認証のテストも進められていた。黒ずくめの組織は、人探しも容易に出来るこの機能を奪おうと狙う。一方、コナンたちも揃って八丈島にホエールウォッチングに来ていた。そこでコナンは、施設の警備に向かう警視庁関係者の船に忍び込む。施設内の潜入に成功し、組織との関連を探る中で事件が発生する。一人の女性エンジニアが、ある情報を記すUSBと共に誘拐されてしまう。海中には巨大な潜水艦を有する組織が潜んでおり、襲い掛かってくる。組織は 「灰原哀」 の正体が 「シェリー」 だと突き止め、さらに彼女を誘拐する。哀ちゃんを助けようと戦う蘭もかっこよくて、仲間の友情と絆が感動的。さらに、必死で追いかけてカーチェイスを繰り広げる博士の奮闘も熱い。「もちろん必ず助けに行く」 と誓い、救出に向かうコナンの活躍も頼もしい。皆が一丸となって、哀ちゃんを助けようと挑む姿は美しく素敵だった。誘拐された女性と哀ちゃんは、過去に出会っていたと分かるのだが。自分の正体を素直に明かせない、哀ちゃんの葛藤が切なくもどかしい。苦悩する哀ちゃんを助けようと、それぞれの活躍の場があるのも良かった。キャラの特性が活かされていて、脇を固める人物の戦いぶりが楽しめる。特に、組織にいながらコナンたちを助ける 「キール」 の協力はスリリング。また組織の一員である 「ピンガ」 の正体を見破った、コナンの推理が面白い。ミステリーとしての謎解き、細かい伏線が回収されるのも見どころのひとつ。その過程で、コナンの正体まで新一だとバレてしまうピンチが訪れる。秘密を知ったピンガとの対決に挑み、哀ちゃんの救出に向かうコナン。劇場版らしい壮大なスケール感と、激しく大胆なアクションも健在。施設を丸ごと吹き飛ばす、双方のド派手な戦いぶりにワクワクした。コナンは水中でも素晴らしいスキルを発揮するのだが、危機に陥ってしまう。逆にコナンを助けた哀ちゃんとの絆も切なく、水中での場面はドキドキした。蘭への哀ちゃんらしい気遣いが意地らしくて、少し切ないけど可愛かった。ラストの 「ベルモット」 の正体も驚いたし、色んな衝撃が随所に隠されていた。爽快感があり、哀ちゃんの存在に女性が再生を果たす姿も心が温まる。今回は海を舞台に、組織を相手にコナンたちが大暴れする姿を楽しめた。
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