イベリー子豚

水は海に向かって流れるのイベリー子豚のレビュー・感想・評価

水は海に向かって流れる(2023年製作の映画)
4.4
「【田島列島】原作」
「【高良健吾】共演」
「【家族】と【思春期】」
「とくれば」
「【沖田修一】監督と比較してしまうのが
映画心だけど」
「【赤リップ】に【くすみパープルネイル】の」
「オールタイム【きめきめメイク】な」
「パラレルワールドの『ちひろさん』と」
「ほぼ永瀬廉くんの『町田くんの世界』が
クロスオーバーする」
「将棋指さない『3月のライオン』なんて」
「好きに決まってるって話」
「《ご理解いただけましたか、このハート泥棒め」
「《なるほどねーハイ、運命です》」
「《今頃、血が流れてるかもねぇ~アタシが
蟷螂拳、教えたから》」
「《アメリカンドリーーーーム!!
アメリカン、ドリーーーーム!!》」
「《またカツアゲしちゃいました……》」
「《フフ……ばっかじゃないの笑》」





確かに登場人物は漫画じみてて
リアリティや重厚な人間ドラマを
期待している方には向いていないと思います。


「冬場、どしゃ降りで家から駅まで
膝下ひらひら白スカートで迎えに行くもんかね」
議論も
やむを得ないのかもしれません。


「キャストのまつ毛が全員、長過ぎて
物語に没入出来ない」なんてクレームも
さもありなんです。



でも好きです。

めちゃくちゃ好きです。


「なぜ26歳と16歳なのか」。


「ショタやん」
「は?条例は?」
「いーや、結局、童貞のハーレム願望なんよ」とか
ちゃうんすよ。


これは
「ボーイ・ミーツ・レディ(&ガール)」で
「遅れてきたアイデンティティの確立」で
「三段飛ばしの純情な大人の階段」な
「ニャンコ青春映画」なんすよ。


【沖田】ファンのイベ子も、当初は
「どうにか粗を探してつついてヤロウ」と
アンチばりに、ハスって鑑賞していましたが
いつしか
キャラクターの掛け合いに
ニヤニヤとキュンが止まりませんでした。


「監督の手腕なのか」
「脚本のセンスなのか」
「原作由来か」は分かりませんが
「会話のテンポ」
「ワードセンス」
「ボケとツッコミの声量」……楽しすぎます。


住人全員を巻き込んだ
壮大なカタルシスこそは、ありませんでしたが
「フジカラーで写したい」魅力的な
シーンも盛りだくさん。


ご飯も当然ウマそげだし、
こだわり強めの衣装部にも
心が踊ります。



クリスマスから
だいぶズレての公開ですが
長引く雨の合間にピッタリの
清涼感しかない、キラキラとトキメキが詰まった
素敵な映画でした。