イベリー子豚

サタデー・フィクションのイベリー子豚のレビュー・感想・評価

サタデー・フィクション(2019年製作の映画)
3.3
「上海版『スパイの妻』……ではない、のか」




「サスペンスフルな騙し合いロマンス活劇」を
予想していたら、どうやら
「『愛と青春の宝塚』+陸の上の『タイタニック』+
ほんのり『リボルバー・リリー』」
だったようで……。笑


モノクロも美術の粗を紛らわすための
低予算トリックにしか思えないし
素人丸出しアクションを手持ちでグラグラ追い回す
カメラワークも失敗気味。


全く、感情移入出来ない恋愛模様や
緊張感のない心理戦・尋問も含め
とにかく会話がつまらない脚本も退屈。


正直、「【オダジョー】+【中島歩】」の
変態化学反応を目当ての鑑賞だったんです。

だけど
困ったことにクロストークが少ない。

これは期待はずれと言わざるを得ない。


第一、「現在の【コン・リー】」を
「上海が熱狂するほど絶世の美女」みたいに
扱うのが違和感アリアリ。


どう観たって
「アラフィフの頃の【余貴美子】はん」やん。

シルエットに貫禄ありすぎ。

「彼女のファン」として登場する
【バイ・ユンシャン】の方が、圧倒的に華があります。
(まさかの瞬間ガーター・チャンス??)



「ヒロインの嘘」も
観客は史実を知ってるワケだし
ラストに至るまで、ずっと消化不良。


コロナ前の制作とはいえ
「魔訶不思議チャイニーズ・フィクション」も
大概にしていただきたいですね。