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QALA/カラのBaadのレビュー・感想・評価

QALA/カラ(2022年製作の映画)
3.0
映像は美しいんですが、謎が多い映画です。

映画を楽しむ以前に頭の中がクエスチョンマークでいっぱいになってしまいましたが、ラストのメッセージを見て、ひょっとしてこれも意図したことなのか?と思わないでもなかったのですが、プラットフォームが配信でも一応商業映画の形を取っているので、物語の枠組みが真剣に取り合えないレベルのハラスメントとそれへの極端な反応の結果生じたことであることに関しては、それは無いよと私は言いたくなる。

とは言え、この映画のラストと出てくる小道具と母親の対応から、なんとなく某ボリウッドスターの事件の原因を遠回しに匂わせているみたいな裏の含みがあるのじゃ無いかと思ったりもしました。

歌手の道に入ってからのことよりも、かなり異常に見える抑圧的な親子関係の方がインドではありがちな社会悪なのかもしれず、インドからの英語の感想ツィートは映像や音楽、役者の演技以外ではそこに共感しているものが目についた。
(眠くなる、というのも。どういう話かは回想シーン丁寧に見なくても30分もせずにわかっちゃうんだよね。)

音楽に関しては、アミットさんが打ち込みメインで音を作って悲惨なことになるのでは?と少し心配していましたが、そこまで酷くはなかったのでホッとしました。でも、歌は良くても演奏はワクワクするような感じではなかったですね。でも、グル・ダットの映画についている音も割とこんな感じなので、その辺はそれよりもまだ少し前になる映画の時代に合わせたのかしら?

後半、アラビア文字の歌詞を見ながら歌うシーンがあることから、Qalaはウルドゥー語で歌っている設定でしょうが、ならジャガンがステージを降りた後の歌でなんでnazarをnajarと発音するの?歌自体は良かったけど・・・

デーヴァナーガリーだと表記の仕方によっては区別できない音だけれど、古典の素養のあるプロの歌手がこんな単純な間違いするかしらん?
私が知らない何かがあるのかもですが・・・

舞台はカルカッタだから本当は何語で歌っていた筈なのかも気になるところ。
歌って音と密接に結びついているので言語が違うと別物だと思う。
ナトゥーだってアレンジャー言語によって違うでしょう?

この監督とこの女優の組み合わせ、私は相性が悪いらしくて前作は数回チャレンジしたものの最後まで見る気になれませんでした。

この作品は最後まで一気に見られたので、そういう意味ではひょっとしてできのいい映画なのかもしれません。

知らんけど。

面白から、とか、好きだから、ということではなく、変な引っ掛かりを感じるので暇な時に『ブーブル』と一緒にじっくり見てみようかと思います。

監督、昔からはビックバジェットの映画にセリフとか歌詞とか提供していた人らしいですね。最近アクション映画でヒット飛ばしている監督のラブコメ↓とか。

https://youtu.be/ipSKYH-rE6A

意外にもこの映画の脚本も↓
https://youtu.be/k99-vMPh3-A

前評判が良かった割にコケたこの映画(=Shaandaar)、こけた理由はオフビートな演出だけではなく、きっちりポリコレ+家庭内の女性の横暴を描いていたからだと思う。

音楽やダンスはヒットしたけれど、映画自体は見ていて苦笑する人が多かったらしい。これ、楽しいダンスシーン満載のラブコメ見に来たつもりだったのに、痛い所つかれて結構図星だった人が少なからずいたからでは?と私は思ってる。
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