ささい

怪物のささいのネタバレレビュー・内容・結末

怪物(2023年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

皆がベストな仕事をした。
まずは、この作品を生み出した是枝監督にありがとう。是枝監督程の知名度があったからこんな内容の作品を、こんなにも沢山の映画館で大々的に取り上げることが出来た。
次に、坂本裕二の脚本のおかげでこんなにも素敵な表現ができた。こんなにも皆に伝えられた。そして、坂本龍一の音楽にありがとう。あなたの音楽が言葉になって聞こえてきた。いや、言葉で言えないことをあなたの音楽が伝えてくれた。最期に相応しい、そして惜しい人物を我々は失った。ありがとう。

皆が手に入れることが出来ないものは幸せと呼ばない。
言えないことを音楽にしよう。

学校の体罰問題と教育機関の破綻したシステム。人と人として話したいのに伝わらない伝えられない。真実があるのに伝わらない。蓋をされる、穿う。教師という職業にスポットライトを当てて描く教育現場の問題。いじめ問題そして、セクシャリティの問題とそれに対する周りの扱い、目線、世論。私たちが考えなければいけないことを是枝監督は非常に分かりやすく丁寧に提示してくれた。怪物はどこに宿っていたのか、何がおかしくてこうなったのか、これが公開されて、世間に考えが浸透して、私たちの社会は生まれ変わることが出来るのか。
ささい

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