海老シュウマイ

ミステリと言う勿れの海老シュウマイのネタバレレビュー・内容・結末

ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

知り合いにTVドラマを猛プッシュされ、「菅田将暉がお前っぽいんだよ!お前絶対共感するから!」と言われ、FODに課金までして観たのに2話ぐらいで脱落。頭の血管切れちゃいそう。

菅田将暉の吐く「正論」が人気という触れ込みなのに、それが浅はかで薄っぺらく、大学生というより小学校高学年ぐらいの話で参った。

本作で言えば、女性の幸せは「人それぞれ」で、いろんな人がいるし、人間の半分を女性だからという理由で区切ることはできない、
うんそう思うよ、で?それで終わる?

今どき専業主婦が成り立つ家庭がどれくらいあるのか、もう女性の就業率って男とほぼ変わらず8割ぐらいあったはず。
もちろんそれは非正規雇用を含み、その率が高くてかなり問題だと思うし、それをどう変えていくかって議論してると思うけど、「人それぞれ」だからどうでもいいんでしょうね。「人それぞれ」がゴールですもんね。「正論」で誰も救えていないのだけど。

そして、そのあと「人間」は弱い、「日本」では弱さをみせられない、みたいなこと言ってたけど、そんな主語の大きい話しちゃダメですよね、人それぞれなんだから。


もっと言えば、このお話って「生まれによる呪縛」、そんな「呪いからの脱却、成長」がテーマになり得るはずで、
であれば大人になり固まってしまったコンクリートをいかにして壊すことができるのか?どんな生まれだろうと、どんな環境であろうと、いくつになっても自分の意思で自分の人生は変えていけるんだ!というのが根底に流れるはずなのに、

呪いに囚われた犯人たちは「悪」だから退場させられる一方、松嶋菜々子の存在はなぜか良きこととして描かれ、原菜乃華は手厚く癒される。

松嶋菜々子は「代々、長女が受け継ぎ〜」とかいうその呪縛から逃れられず、怪しい石を売る商売につかざるを得ない状況に追い込まれてるわけだけど、これと「女に生まれたから専業主婦が幸せ」とどう違うのか。松嶋菜々子は幸せなのか。


そして、「正論」を言うなら原菜乃華は中盤で普通に逮捕で、家裁の審判で少年院送致じゃないかな。あの時点でよっぽどカウンセリングが必要だったと思うよ。

さすがにそんな「正論」を吐こうとは思わないし、正論吐いてるつもりもないけど。
やっぱりこの菅田将暉の役は俺ではないよ。
確かに、友人がいないのと小松菜奈を愛する点だけは共通するけど。