自己犠牲。献身。
妻は、母親は、こうあるべき。
お客様は神様。
人を憎まず、赦しなさい。
平常心を保ち、心にいつも平安を。
… いやそんなの無理!!
という反動と爆発。
理想と現実。
建前と本音。
あるべき姿とあるがままの姿。
ネガティブでも悲観的でもなく、「これが現実」と、矛盾に満ちた人間と、生きづらい世の中を笑い飛ばす。
そういう人間臭さが魅力的だったり、自分らしさだったり、完璧を目指し理想を装っていたときには見えなかったものが見えてきたりもするのだ。
胸糞ではなく爽快で、絶望ではなくエール。
緻密な心理描写とシニカルなユーモアが満載。
ダンスや枯山水を効果的に使った演出、最後に回収されるBGMの伏線も、お見事。