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男はつらいよ 寅次郎かもめ歌のぉゅのレビュー・感想・評価

3.9
2020年 鑑賞
BSテレ東にて、テレビ初放送の4Kでらっくす(4Kデジタル修復版)での一挙放送にて。27/50作目。

ー あの娘に捧ぐかもめ歌 ー
今回も夢始まり。大飢饉の柴又村。天狗への生贄のさくらの代わりが、なっ、なんとあの寅さんで、天狗は悪代官だった。現実は... 神社で寝ていた寅さんだった。

とらやでは、(’20年にも行われた)国勢調査が行われていた。寅さんは罪でも起こしたかのように扱う。さくらたちは大きな家に引っ越したそうで、寅さんの部屋も用意されており、深く感銘を受けた。寅さんはご祝儀にと渡した2万円を受け取る、受け取らないの喧嘩で、寅さんは旅に出るが、今回は特に博の判断が誤ったと思う。寅さんはさくらたちの心意気に感謝したから、無理に用意したお金を... 悔しい!テキ屋を馬鹿にしているのか!って共に言いたかった。

北海道・奥尻島。テキ屋仲間の訃報を聞き、線香の一本もあげてやろうと彼の家に訪れた。今回のマドンナであり、彼の忘れ形見の娘・すみれ(伊藤蘭さん)がおり、高校中退で、東京の定時制高校に通いながら、働きたいという願いがあり...
柴又のとらやでは、寅さんが幼児連れ去りの犯人の人相書きが寅さんに似ていると... そうしたら...
“俺はな、あの娘の父親代わりのつもりなんだ”
寅さんやさくらたちは、すみれの願いを叶えようと奔走する。

ここまで来ると、「試験なんだから、落ちるとか滑るとか言うなよ!」が、自分へのネタ振りにしか聞こえないんだが!でも、すみれが弱気でいる時に、「今頃そんなこと言ってどうすんだよ!すみれ、お前はそれでいいのか?本当にそれでいいのか?お前は後ろ指刺されて、それでいいのか?だろ?」染みるわぁー!しかも、定時制高校の林先生は、2代目おいちゃんでもある、松村達雄さんなんだから、染み染みだな。
すみれが合格した時の寅さん、河原でのこける所と、2人のハグの所は、名シーンだ!
すみれに来客が... すみれの母(園佳也子さん)だった。泣きながら強がる母の姿は、刺さるものがある... 「あんたは幸せになるんだよ!」って。
セブンイレブンっていうスーパー... イ●ー●ーカ●ーでなくて? で、元恋人である菊地貞夫(村田雄浩さん)が登場。互いに気持ちを確かめ合う。
一方とらやでは、すみれが帰って来ないことにやきもきする寅さんだったが...

”幸せにならなけりゃ、承知しねぇぞ“
今回は恋より、愛。しかも(擬似)親子愛。今までは野球やってたが、今回は実はソフトボールだったってくらいの男はつらいよの作品だった!
学校(定時制高校) × 寅さんのベストマッチが、後年の“学校シリーズ”に繋がる。生徒役のエキストラで、光石研さんや田中美佐子さんもいたそうで、もう一回観てみよう!あの役のあき竹城さんも良かったなぁ...

“わたしの寅さん、ぼくの寅さん”に寄稿された笠井信輔さん(フリーアナウンサー)。寅さんのしこうは、時に、「小学生かよ!」と言う程、低レベルですが、それを、大人の言葉で、もっともらしく言い訳する時、大爆笑となるのでたまらない。ところが時に、その言葉が真理をつくことがあるので油断ならないのです。と、おっしゃっていた。今となってはベタになるが、自分で「○○するんじゃねぇぞ!」って自分で振っておいて、自分で○○をすることや、知らなくても、(見栄を張ってか?)知ってるよ!って、少しズレているみたいなのがクスッとなる。でもインパクトも、破壊力もあるから、なんかそれで全部掴まれてしまうのがいい!これからもたくさんの寅さんの人情味を見届けていきたい。

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