小学生の頃、私は少年野球チームに所属していた。
試合で隣町の球場へ行ったのだが、ふがいない結果で負けた時は決まって走って帰らされた。
いつものように走って帰っている途中面白くないお調子者のナカジマが「うわぁ〜！」と突然声を上げた。
「どうしたナカジマ？」と顔を見たらアンドリューWKを彷彿とさせるほどの鼻血を流していた。
「おい！ナカジマ！大丈夫か！」普段ならエクスペンダブルakaティッシュを持っている私だがこの日は鞄をコーチの車に預けて走っていたためティッシュを持っていなかった。
誰かの家でティッシュをもらえないかインターホンを押そうか押すまいか悩んでいたら「これを使って。大丈夫？」と中学生くらいのお姉さんがハンカチを差し出してくれた。「気にせず使って。返さなくていいから、じゃ」そう言って中学生くらいのお姉さんは自転車で颯爽と走り去っていった。
夏の暑い日。青春の暑い風が吹く帰り道。ナカジマはお姉さんからもらったハンカチで鼻を抑えながら目的地まで一緒に走って帰った。
余談だが同級生の結婚式でひさびさにナカジマに会った。お調子者感はなくなりちゃんと面白くないおじさんになっていた。
クリーチャーポン・ジュノ作品の今作（予告では想像できない）、時代が変わりみんなで倒すグエムルではなく対話で解決する物語でよかった。ただ、展開のために死ぬ人が生まれるのは私好みではない、死ぬべき人の死に方もカタルシスがなさすぎる。言わんとする事はわかるがたぶん脚本の問題だろうか、映画として面白いとはあまり感じれなかった。
