四木

君たちはどう生きるかの四木のネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

2023/07/16 映画館にて


冒頭、人が現れた瞬間から、「あれ?」と思いました。後の船のシーンから察するに、もしかしてみんな……亡くなってしまったのでしょうか?
炎に向かって走っていく表現に鳥肌……。こういう表現をするのか、とびっくりしました。

夢から目覚めるとき、水面から顔を出す感覚、わかります。これ、みんな体験するものなんだなぁ……と感動しました。

カエルはジブリだなぁ……と感じますけれど、一瞬しか出なくて逆にびっくりしました。
それより、鳥、鳥、鳥……。大量の鳥。

建物の美しさが好き。
風景も、美しい。色鉛筆で描いたかのような、船のせかいが儚くて、すきです。

ジブリの、生活を強く感じるシーンが好きだなぁと思います。だから屋内のシーン、好き。
いわゆるジブリ飯とか、生活を感じるもののひとつですよね。バターは塗り過ぎでしたけれど。

しらたまみたいな子たちが無邪気でかわいいです。表情豊かですね。ひとつひとつ描くの、楽しそうだなぁと思いました。

そのしらたまと、鳥と、少女と、せかい……。命の連鎖。いろんな面を知ると、誰かが悪いと断言できなくて、苦しいです。

人は喰われる立場にあまりならないからこそ、鳥が恐ろしく感じるのでしょうね。途中まで、鳥が嫌いになりそうでした……。もうひとつのせかいの鳥は可愛らしいですけれど。
ある意味、漫画『進撃の巨人』を思い出しました。

少女、すきです。かわいい。お洋服がとても好きです。

メインビジュアルの方が思っていたより可愛くなくて、でも、最終的になんか可愛くて、良かったです。
少年となんだかんだ仲が良いところにほっこりしました。穴を埋めるシーン、すきです。

おじさまは……お星さまになったのでしょうか。

あのせかいにとって弱くとも、こちらのせかいでは、人間にとっては、強いんじゃないかって思いました。どうなのでしょう?

記憶にないほど幼い頃からジブリを観てきました。例えば『千と千尋』の最初のほうで階段を一気に駆けおりてしまうシーンがこわいと感じたことがあります。そういった、いままで感じたことのある、ジブリ作品へのこわさとはまた違ったこわさを、しかもいままでよりずっと強いこわさを、感じました。炎、トラウマ、悪夢……そういったものが、ゾッとしたのでしょうか?
彼女の「炎、すてきじゃない」って内容のセリフ(うろ覚え)に、びっくりして、少し救われました。

それから、大人たちもこわかったです。
お父さま、お義母さま、おじさま……みんな、ある意味こわいです。血筋なんて、悪じゃないかって思ってしまいます。
「でも、彼らは……これが彼らの人生なんだ」と思ったら、あとからじんわり、泣けてきました。意識的でも無意識的でも、生きている人はみんな、選んでいるのですよね。いまの人生を。良いところも悪いところも。

ラスト、「このお声は……!」と、びっくりしました。彼の歌をジブリ作品で聴けるとは……。
これを聴けただけでも、映画館に行って良かったと感じます。

好きか嫌いかで言ったら、好きです。

この映画に何を求めるか、何に注目するかによって、意見が変わりそうです。いままでのジブリの寄せ集めと言うか、ジブリの集大成と言うかは、人それぞれでしょう。
四木

四木