みなみ

君たちはどう生きるかのみなみのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

アーーーーーーダメだった。
嫌な裏切られ方をしたと思った。

映像はくるものがあった。迫ってきた。
全信頼をおける。ここには。

何が嫌だったのかまだ明確にわからない。
今まで駿ファンタジーは好きだったし、ときめいてきた。
今までの作品に好感があるからオマージュもわかったけど、ただそれだけ。ちょっと拗さもあった。

映像美<わけわからなさのもやもや

•地獄世界での対立関係や協力関係に説明がなさすぎて各キャラの利害も行動の道理もわからないからモヤモヤする

•理想化した女の描き方への嫌悪感。幼き母に会うというタブー。出産の神格化。ヒミを母だと思っていないからなのかもしれないけど、まるで恋人みたいに振る舞う様、息子を小さい彼氏って言ってる母親みたいな気持ち悪さを感じた。あの年頃の女の子に「あなたを生まなきゃ」って言わせるキモさ。
お母さんは優しく綺麗でないといけないですか?
「あなたのことが大嫌い」と言う本音、それを表に出してはいけませんか。子どもにそれを言うのは残酷すぎるけど、いつも子のことで苦しんでるのは母親。
妻の妹を好きになれるお父さんもなんか生理的に無理。

•青鷺はなんだったのか。どこから来てどこへ行ったのか。なぜあんなキメラのデザインだったのか。立ち位置が謎。もやもや。(鈴木敏夫なのはわかる、何度も誘い折れなかった氏が今は盟友なのも、ただ最初ピアノの一音での登場と後半でのキャラ付けのギャップが大きすぎた)

•わらわらのデザイン、あれで良いですか?グッズ化で楽しようとしていませんか?笑ってしまった(プラスの笑いではない)、もののけ姫の木霊では得体の知れない感、かわいくもあり怖くもあり、名もなき命に尊厳があった。

•比喩を表現するなら、ヒントをきちんと散りばめて欲しい、それが子ども向けなら尚更。監督の人生を知らないと楽しめないならそれはファンタジーになるのかな。

•エンディングの米津の起用。新しさを見出せなかった。他のタイアップもいっぱいしてるアーティストだからこそ、埋もれてしまっている気がする。私たちオタクが米津に触れすぎて耳が慣れてしまっている弊害。

風立ちぬを初見で見た時の難しくて飲み込めない感じとはまた違う気がする、今回は鑑賞を重ねたり、解説を見たりしてまた感動したりできる気がしないんだけど。どうだろう。答えは数年後。

人生でジブリに拘ってきたところがあるけど、駿と決別する良い機会かも。いままでありがとう。
みなみ

みなみ