たばちゃ

君たちはどう生きるかのたばちゃのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
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非常に星の付けづらい作品
今生きている日本人の多分6、7割くらいの人は、きっと一度は宮崎駿のアニメを見たことがあると思う。その影響の強弱は個人個人ちがうと思うが、私の中では今を生きてる人の大体がこの人にはなんだかんだで世話になったと思ってる。大げさかもしれないけれど、そう思っている。
なので、観る前から私は彼の遺言を受け取る気持ちでいた。まだ死んでないけど。

まず冒頭驚いたのが、大衆のあのぬるぬるとした動きでした。
怖くて泣きました。なんかこの映画、群衆が怖いです。ばあやたちの最初の登場シーンも、なんか怖いです。動きが。
あおさぎもグロテスクです。コミカルなシーンもありましたが、なんか最後まで愛せませんでした。彼は何だったんだろう?謎です。

細部はよくわからないところが多かったですが、積み木が崩れ世界が崩壊していくシーンは「これか!」と思いました。
世界を再構築していくのは、君たちなんだよ、と言われているようでした。

現実世界に戻った鳥たちは、とても美しかった。下の世界ではインコは気味悪いし、ペリカンは命を運んでくるものの象徴なのにもかかわらず、命を食らうし、変だなー、と思っていたけど、最後このシーンのためだったのか。下の世界はやはりおかしなおかしな世界だったなと思いました。

多くの人が、咀嚼に時間のかかる映画だと思います。
でも素敵じゃないですか?
きっと何度も金曜ロードショーで放映され、そのたびにわからなかったところがわかっていくかもしれない。
彼が死んでからもこの映画は生き続け問い続けてくれるでしょう。そうやって思えば、最高のエンターテイメントだな!
まだ死んでないけど。