たなか

君たちはどう生きるかのたなかのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

事前情報なしで観てよかったです。
好きとかそういうのを飛び越えて感情が揺さぶられました。


10歳の頃、映画館デビューが千と千尋で、
小学校の遠足にジブリ美術館へ行くような地域出身なので、
コアなファンではないけれどジブリと共に育ってきた感覚がある。

物語はわくわくひやひや楽しくて、住宅街の電線にみっちりと並ぶセキセイインコを思い出してあの気味悪さにめちゃめちゃ共感したりしていたんだけど、終盤でお別れを告げられてびっくりするくらい寂しくなってしまった。

崩れていく世界とか、忘れてしまう友だちとか、宮崎駿作品とはもうお別れなんだなとひしひし感じた。
頭の中でなんとなくわかっていたことが物語にのせて伝えられることで心も「そう」なんだなと理解してしまった感がある。

大人になってからお別れへの耐性がなくなった。
子どもの頃は、思い出はいつまでも残ると無邪気に信じていたから、あんまり寂しくなかったのかもしれない。
大切な思い出は何もかも大事に抱えて生きていきたいよー!!!何一つ忘れたくないよー!!!
エンドロールでぼろぼろ泣けてきて、明るくなった劇場から皆が帰っていくのを眺めたらうれしいようなかなしいような気持ちになった。
私はジブリやその物語と友だちだったんだなと思う。

パンフレットがまだ出てないのもとてもいい。
自分だけが見つけた石としてポケットにしまいたい。
たなか

たなか