ぽんた

君たちはどう生きるかのぽんたのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

賛否両論あるが自分は楽しめた。
観終わった後に、宮崎駿がほんとうにやりたかった作品なんだと改めて思った。
観終わった後、ちょっと違うけれど少し不思議の国のアリスみたいだなと思った。

冒頭5分の戦火のシーンがすごい。泣けるし、絵が綺麗で描写から戦争の怖さがとても伝わってくる。恐ろしく悲惨で、目まぐるしさや緊迫感でいっぱい。実写の炎ではない、描かれた炎だからこその無慈悲や絶望感を感じる。人々の顔や形もよりリアルな人間に近い描き方で歪んだり崩れたりしている地獄のような混乱。主人公の母を救えなかった、燃えてしまったという絶望感でいっぱい。辛い。

アオサギがはじめは敵だと思ったが、だんだん親近感わいて良いやつだと思った。主人公はアオサギとのやりとりを通して友達の作り方を学んだと思う。
キリコさんもはじめは怖いばあちゃんと思っていたが、若きキリコさんが面倒見が良くてかっこよくてすきになった。
夏子さんがすごく綺麗で美人だが、ホラーっぽくみえてずっと怖かった。けど最後まで何も起きなくて良かった。
ヒミがすぐに主人公の母というのはすぐ分かるが魅力的。ヒミもなんとなく主人公が息子ということを知っていて手助けしてくれているのだと思う。
冒頭のシーンも泣けたが、最後それぞれが元の時代に戻るシーンでヒミと主人公のやりとりに泣けた。主人公も母の死を受け入れられたが、ヒミも主人公の悪意も良いところも全部ひっくるめての意味で、良い子!と言ってくれたことが自分も救われた気がした。母は強し。
母の作ってくれるトースト美味しそう。

全体的に鳥がメインで登場し凶暴で少し怖い。インコの王が積み木崩してしまって、いらんことするなと思ってしまう。
ジブリ作品にしては主人公は物静かで影のある印象。でもやはりイケメンで成長していく姿が頼もしい。
個人的に主人公の父が家族をきちんと愛してくれているのは分かるが、主人公が影を落とすのは父の行動のせいではと思ってしまう。時代背景もあるし、裕福で力のある父だからそういう行動するのは仕方ないとは思うが。
いろいろ伏線や背景を考えたくなるし、考えるのも楽しいと思うが、何も考えずにファンタジーと思って観たら純粋に楽しめると思う。
ぽんた

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