Duckfeet

君たちはどう生きるかのDuckfeetのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

アカデミー賞取って上映時間が増えたのでやっと観ることができた。

「意味がわからない」「つまらない」という感想を見ていたので、意味不明な展開かと思いきや、わかりやすい少年の成長物語であった。

眞人は第2次世界大戦3年目で、入院中の母を空襲による火災で亡くし、父と2人で田舎に移るがそこには母とよく似た新しいお母さんとなる人がいた。昭和の男の子らしく眞人は何も語らないが、父がすぐに母を忘れて再婚したこと、もうお腹に赤ちゃんがいること、眞人の新しい学校にダットサンで乗り付けてみんなをビックリさせるようなことをする父に嫌悪感を抱いているに違いない。案の定そんな登場をした転校生の眞人は初日に他の生徒にボコボコにやられるが、その上に自分で自分の頭を石で殴りつけて大怪我をするという破壊的行為に出る。

ここまでは現実的な話だが、ここから不思議な世界に迷い込む。眞人の代弁をするように「おかあさん!おかあさん!」と叫ぶアオサギ、入り口を塞がれた不思議な塔、森に消えてしまう夏子。

冒険の末、夏子が母の妹であり、眞人を大事に思っていることを知り、母の別の姿にも出会う。眞人と夏子を助けようと武装して戦いに来る父の姿も目にして、眞人の心のわだかまりは溶解していく。

細かいモチーフの意味がわかったのかと言われるとそれは難しい。本も読んでいないし。しかし圧倒的に美しいこの世界の中に入ってしまえば、細部の意味がわからない事など取るに足りないことだった。
Duckfeet

Duckfeet