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水曜日が消えたのDuckfeetのネタバレレビュー・内容・結末

水曜日が消えた(2020年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

Amazonプライムで視聴。
ダニエルキイスの『24人のビリーミリガン』や『5番目のサリー』が好きだったので、多重人格モノとして面白く観た。

喫煙者で音楽をやっていて誰とでも寝て、部屋を散らかしっぱなしの月曜日の人格がやりたい放題やった翌朝に目覚める火曜日君が主人公。ベッドの横に寝ている昨晩の相手であろう知らない女(時には男)を叩き出し、吸い殻を捨てて部屋を片付けて買い物に行く几帳面な性格の火曜日君。火曜日のテレビしか見られず、火曜日定休の図書館には決して入れない。他の曜日の人格がそれぞれ自由に生きているように見える中、生活に必要な掃除洗濯などを担う火曜日は損をしているような気分になることも。しかし突然水曜日にも目が覚めるようになり、図書館で自分を知っているらしい女性と出会ってデートをした頃から今までの秩序が壊れ始める。

最後に月曜日と火曜日の2人が残り、1人になりたい月曜日との争いになるが、1人になった月曜日が選んだのは再び7人で生きる道だった。他の曜日にも大切な人がそれぞれいて、それぞれの人生があったことを火曜日から教えられたからだった。

幼少期の事故をきっかけにこうなったらしいことはわかるのだが、どうやって生計を立てているのか、親はどうなったのかなど細かい設定はよくわからない。わからないぐらいの曖昧さでないと問題が多すぎてテーマに集中できなかったと思うのでこれで正解だと思う。

主婦のような役割を担う火曜日には自然に共感できたし、自分を失うかもしれない恐怖感が伝わった。主演の中村倫也さんのふんわりした雰囲気の火曜日と、ちょっとワルな月曜日の対比が面白かった。動画配信で観て、映画館で観るほどではないと思ったが、ドラマとしてはかなり面白かった。
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