シネラー

マダム・ウェブのシネラーのレビュー・感想・評価

マダム・ウェブ(2024年製作の映画)
2.5
久々の映画館にて
SSU最新作である本作を鑑賞。
本国での散々たる酷評で
ハードルが低くなっていたが、
楽しめる要素もありつつ
突っ込みどころが確かに多々ある
アメコミ映画だった。

物語は救命士キャシー・ウェブが
ある日を境に未来予知の能力を手にし、
謎の男エゼキエルに命を狙われる
少女3人を助けながら自身の生い立ちを
知っていく内容となっている。
キャシーのマダム・ウェブとしての
オリジン映画であり、
後にスパイダーウーマンとなる
少女達の前日譚にもなっているが、
この4人が家族と呼べる関係性になる
のが掛け合いも含めて楽しめる部分だった。

しかしながら、
"マーベル初の本格ミステリー・サスペンス"
という宣伝文句とは程遠い内容ではあった。
序盤の段階で
エゼキエルの目的や正体が判明しており、
謎の黒いスパイダーマンが迫ってくる
ミステリアスさや強敵な印象が薄かった。
終盤のエゼキエルに関しては、
もはやキャシーの未来予知の誘導に
わざと引っ掛かっているのではないかと
思う位で笑えてしまった上に、
エゼキエルの顛末がヒーロー側の諸行
として疑問符がつくところだった。
又、アメコミ映画だとしても現実味が薄く、
キャシーがエゼキエルから逃げる為に
多数の犯罪行為をしており、
奪ったタクシーで目立つ行動をしながらも
終盤までそのタクシーを使っているのは、
いくらなんでも地元警察が
仕事をしなさ過ぎだと思った。
加えて、3人の少女達に関しても
劇中でスパイダーウーマンの能力を
得ていく訳ではなく、
そのまま一般人のままで物語が終わる為、
スパイダーウーマンとしての活躍を
見せて欲しいと思うところだった。
ファン要素に関しても、
最後にピーター・パーカーの存在を
感じられる要素があるものの、
ユニバース展開としては不安に
感じられるところだった。

今後に発展していく前日譚であり、
その点で言えば昨今のMCU映画よりも
観易くて楽しめると言えるが、
派手なアクションが少ない上に
ミステリーとしてもお粗末で
全体的に地味なアメコミ映画だった。
ヴェノムの3作目やクレイヴンの映画が
公開予定のSSUではあるが、
早めにスパイディとの共演映画や
シニスター・シックスを拝みたいところだ。
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