シネラー

DUNE/デューン 砂の惑星のシネラーのレビュー・感想・評価

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)
3.5
劇場公開時に観たいと思いつつ
鑑賞できなかった為、
続編が公開される頃に鑑賞しようと
決めていたので、
この期でようやくの初鑑賞。
観る側のコンディションを整えないと
厳しく感じるものも多々あったが、
壮大なSFによる素晴らしい
世界観の美術や雰囲気が好きだった。

物語は用語が多いだけに説明が難しいが、
砂の惑星デューンの天然資源を巡る
名家同士の争いで、
後に救世主となるポールを主人公とした
スペースオペラとなっている。
SFらしさに溢れる乗り物や
装備といった部分は大いに楽しめる
世界観や美術であり、
それでいて同監督の
『ブレードランナー2049』や『メッセージ』
でも見受けられたSF風景の中に
登場人物が溶け込んでいる美しさも
大いに堪能できて良かった。
物語自体に関しても、
主人公ポールが敵対する
ハルコンネン家に陥れられて
自身の能力である予知にも悩みながら、
救世主としての第一歩を
踏み出す結末となっており、
中盤でのサンドワームから逃げる場面を皮切りに物語が盛り上がりを
見せていくのが良かった。

本編開幕から聞き慣れない単語の
オンパレードとなっている為、
最初の約一時間は世界観の把握に努める
ので一杯一杯だった。
それに加え、
そんな訳が分からない状態で
暗い雰囲気の会話劇や
スピリチュアルな描写が殆んどな為、
なかなか物語として大きな進展や
派手な絵面が無いのは厳しいところだった。
結末までに至っても物語自体が
序章に過ぎない点も気になり、
結果として皇帝側に追われ続けての
反転攻勢とならないのが残念だ。

結局のところPART2次第の序章という
内容である為、
単体の映画としては評価も難しいが、
少なくとも美しい映像や音響と共に
壮大なSFを堪能できる映画ではあるだろう。
最近でも再上映されていたが、
劇場スクリーンの音響で鑑賞すれば
良かったと後悔があるところだった。
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