きょんちゃみ

マダム・ウェブのきょんちゃみのレビュー・感想・評価

マダム・ウェブ(2024年製作の映画)
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https://eiga.com/news/20240307/15/

最近みたニュースによると、この『マダム・ウェブ』という映画、現在絶賛公開中にもかかわらず主演女優がつまらな過ぎることを認め、二度とやらないと発言したらしい。

こういうとき、驚かされる。日本人女優ならこんなこと言えないと思う。現在公開中で、主演女優にもかかわらず、あたかも自分には、この映画がクソほどつまらないことについての責任がないかのように、こういうことを豪語できるのってマジですごいと思う。あっけらかんとしている。主演した人にも責任の一端はないのか、自分にもクオリティコントロールが少しはできたはずではないのか、とか、思わないのだろう。

ちょっとは日本人もこの鈍感さを見習った方がいいとも思う。他方で、この肝っ玉のデカさが怖いなとも思う。本人的には、「観客が不快な思いをしないように配慮しての発言」なのかもしれないが、自己正当化に賭ける大いなる意志をその背後に感じてしまう。

なお、これほど批評家筋と一般観客が全員一致でつまらないという映画というのは、むしろ観客がみんなでポップコーンを画面に投げつけながら、各展開ごとにみんなでツッコミを入れて爆笑する映画になりがち。クソみたいなセリフをみんなで大合唱したりして楽しむのである。こういうカルト映画、私は嫌いになれない。『スターウォーズ エピソード9』も、爆笑しながら見るという人もいるらしい。ヘッポコ映画には特有の可愛さがあるという。

低予算でつまらない映画とかは仕方がないと思うし、観客を挑発するために、アンチ・クライマックスのつまらなさを観客に感じさせようと狙って作られた映画は、私はあまり好きではない。そうではなくて、私が好きなのは、とんでもない制作費をかけて作られたつまらない映画である。

とんでもない制作費をかけて、巨大な糞便のようなものがディズニー産業とか資本主義からポップアウトしてくることがあって、こういうのはポップアートとしてミーム化したりする。資本主義がとぼけたユーモアを発しているかのようだ。
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